JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI32] [JJ] 計算科学による惑星形成・進化・環境変動研究の新展開

2017年5月22日(月) 09:00 〜 10:30 104 (国際会議場 1F)

コンビーナ:林 祥介(神戸大学・大学院理学研究科 惑星学専攻/惑星科学研究センター(CPS))、小河 正基(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻)、井田 茂(東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻)、草野 完也(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、座長:牧野 淳一郎(理化学研究所計算科学研究機構)

10:15 〜 10:30

[MGI32-06] FDPSとPEZY-SCデバイスを用いた、SPHコードの開発と巨大衝突への応用計算

*細野 七月1,2岩澤 全規2行方 大輔2谷川 衝3,2似鳥 啓吾2村主 崇行2牧野 淳一郎4,2,5 (1.京都大学大学院総合生存学館、2.理化学研究所計算科学研究機構、3.東京大学大学院総合文化研究科、4.神戸大学大学院理学研究科惑星学専攻、5.東京工業大学地球研究所)

近年、計算機クラスターの構成は、CPUのみのものではなく、GPUなどと言った「加速器」が付与されている物が一般的になりつつある。
しかしながら、これらの加速器を用いるには、複雑なコードを書かなければならない事が多い。
そこで我々は、Framework for Developing Particle Simulator (FDPS)と呼ばれる、粒子法向けの自動並列化ソフトウェアを開発した。
また、FDPSは、バージョン2.0以降、マルチウォークモードと呼ばれるモードを実装し、加速器にも対応した。
本講演では、粒子的流体数値計算手法である、Smoothed Particle Hydrodynamics (SPH)法と、重力相互作用を解くコードを、
FDPSのマルチウォークモードを用いて開発し、それをPEZY-SCと呼ばれる加速器の上で動作させた。
PEZY-SCは近年開発された加速器の一種であり、他の例えばGPUなどに比べ、電力あたりでの効率に優れている。
また、SPHにはいくつかの派生手法があるが、今回は標準SPHと、Density Independent SPHを実装した。
その結果、我々の開発したコードは、通常のCPU版に比べて、流体・重力共に単精度で$30$倍程度の速度効率が出る事が確認された。
本講演では、実際に本コードを、惑星科学における重要な現象である、巨大衝突に適用した例について、紹介する。