JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EE] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS02] [EE] 火山噴煙・積乱雲のモデリングとリモートセンシング

2017年5月24日(水) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:佐藤 英一(気象研究所)、鈴木 雄治郎(東京大学地震研究所)、前野 深(東京大学地震研究所)、前坂 剛(防災科学技術研究所)

[MIS02-P03] Observations of volcanic eruption columns using Himawari-8 Super-Rapid Scan 30-sec imagery

*福井 敬一1佐藤 英一1林 勇太2,1松田 康平3石井 憲介1新堀 敏基1徳本 哲男1 (1.気象研究所火山研究部、2.気象衛星センター、3.気象庁火山課)

キーワード:Himawari-8, Super-Rapid Scan, eruption column, volcanic eruption, geostationary meteorological satellite, Sakurajima volcano

気象庁は2015年7月7日より,次世代静止気象衛星ひまわり8号の運用を開始した.ひまわり8号に搭載された可視赤外放射計(Advanced Himawari Imager, AHI)は,前代のひまわり7号MTSAT-2に搭載されていた放射計に対し,観測波長帯数が5バンド(可視1,赤外4)から16バンド(可視3,近赤外3,赤外10)へと大幅に増強され,空間分解能もほぼ倍に高解像度化した.さらに,全球の観測頻度も60分ごとから10分ごとに向上するとともに,日本域(東西2000 km,南北1000 kmに2分割)や台風観測などに利用される東西南北1000km四方の可動領域では常時2.5分ごとの観測も可能となっている(領域観測1,2,3).また,東西1000km,南北500kmの領域2か所(領域観測4,5)を常時約30秒ごとに観測している.この観測は,主に位置合わせや月を利用した感度校正を目的としている(Bessho et al. 2016)が,火山噴火や積乱雲の観測にも活用可能であり,最近は試験的に,桜島や浅間山などを含む領域を対象として観測していることも多い.
ひまわり8号の高解像度・高頻度観測によってMTSATに比べ小さな噴火も観測可能となるとともに,多バンド化によって,火山灰雲高度推定の精度向上と,火山灰雲の光学的厚さや粒径などの情報を含む火山灰プロダクトの開発が進められている(Hayashi et al. 2016).さらに,火山ガス(SO2)の検出も可能となってきている.
我々は,噴火直前の火口の温度状況や噴火直後の噴煙柱の成長の様子を捉えるため,30秒ごとの超高頻度観測(Super-Rapid Scan)データを利用した研究を開始した.手始めに,空間分解能0.5kmのバンド3(0.64μm)による桜島爆発時の噴煙柱のひまわり画像と監視カメラ,気象レーダーデータ(Sato et al. 2017)を比較し,ひまわり画像によって噴煙柱の上昇過程をどの程度把握可能か調査した.
 
参考文献
Bessho, K. et al. (2016) An Introduction to Himawari-8/9 —Japan’s New-Generation Geostationary Meteorological Satellites. J. Meteor. Soc. Japan, 94, 151-183, DOI:10.2151/jmsj.2016-009.
Hayashi, Y. et al. (2016) Observation of volcanic ash clouds by Himawari-8. JpGU 2016, MIS26-06.
Sato, E. et al. (2017) Volcanic ash plume observation by weather radars. JpGU2017.