JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EE] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS02] [EE] 火山噴煙・積乱雲のモデリングとリモートセンシング

2017年5月24日(水) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:佐藤 英一(気象研究所)、鈴木 雄治郎(東京大学地震研究所)、前野 深(東京大学地震研究所)、前坂 剛(防災科学技術研究所)

[MIS02-P05] A One-dimensional Steady State Model of a Buoyancy-generating Turbulent Plume and its Application to Volcanic Eruption Columns

*石峯 康浩1 (1.国立保健医療科学院健康危機管理研究部)

キーワード:Eruption column, Turbulent plume, One-dimensional model, Buoyancy flux, Thermal expansion

高さとともに浮力フラックスが増加する乱流プルームの一次元定常モデルについて発表する。噴煙柱の基本的な特徴を適切に表現するには、火山噴煙に取り込まれる大気の熱膨張によって浮力フラックスが増加することを定式化することが重要であると考えるからである。初めに、一様な静止流体中で浮力フラックスが高さに比例して増加する仮想的な軸対象の乱流プルームに関して議論し、プルーム内の流体の上昇速度が高さによらず一定という解析解が得られることを示す。この結果は、上昇速度が高さの1/3乗に比例して減少するという非圧縮乱流プルームの解と対照的である。一様な流体ならびに成層流体中のより現実的な乱流プルームに関しても上のモデルを修正して議論し、いくつかの特徴的な長さスケールを導入する。これらの長さスケールを使って浮力が増加する場合の乱流プルームの到達高度についても議論する。これらの長さスケールを使った数値解析により、実際の火山噴煙では最高高度に到達する前に熱エネルギーを大気を膨張させるためにすべて消費してしまっていることが示唆された。また、実際の火山噴煙柱内の浮力フラックスは、従来の非圧縮流体の乱流プルームに関する理論で見積もられているものの半分以下である可能性も示唆された。今回、構築した一次元モデルは、噴煙柱の“超浮力的な振る舞い”に関する物理背景についても新たな知見をもたらしたと考えられるので、この点についても発表する。