12:00 〜 12:15
[MIS10-11] アルゴフロートにより観測された南極環海流の定常蛇行
キーワード:Antarctic Circumpolar Current, Interdecadal variability, Eddy transport, Curvature
南大洋の渦は、たとえば渦運動エネルギーや渦運動量鉛直輸送などで定量化されてきたが、近年「流線の長さ」に着目する研究が現れた。南大洋には世界最大流量を誇る南極環海流がある。この海流の流量は西風の数年規模の変動に対してほとんど変動しない事が知られてきた。これが定常蛇行の近辺で風の変動に対する調整がおこっているせいではないか、という仮説がある。その調整にともなう現象として流線が長くなる事象が渦分解数値モデルで見られた。
アルゴフロートを用いて類似した現象が観測されうるか調べた。南極環海流に沿って 7 つの定常蛇行が観測された。この定常蛇行近辺の上層 1000 m の渦輸送を計算すると、渦に伴って流線の曲率半径が増加すなわち流線が長くなっている事が示唆された。この効果は海底地形東側(環海流の下流側)で特に大きい。下流側は多くの場合極向きの渦輸送を持ち、子午面循環や運動量収支でも重要な役割を果たすが、流線の長さの決定にも重要な事が分かった。
アルゴフロートを用いて類似した現象が観測されうるか調べた。南極環海流に沿って 7 つの定常蛇行が観測された。この定常蛇行近辺の上層 1000 m の渦輸送を計算すると、渦に伴って流線の曲率半径が増加すなわち流線が長くなっている事が示唆された。この効果は海底地形東側(環海流の下流側)で特に大きい。下流側は多くの場合極向きの渦輸送を持ち、子午面循環や運動量収支でも重要な役割を果たすが、流線の長さの決定にも重要な事が分かった。