JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS14] [JJ] ジオパーク

2017年5月21日(日) 09:00 〜 10:30 A01 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:藁谷 哲也(日本大学大学院理工学研究科)、平松 良浩(金沢大学理工研究域自然システム学系)、松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、尾方 隆幸(琉球大学島嶼防災研究センター)、座長:藁谷 哲也(日本大学大学院 理工学研究科)、座長:松原 典孝(兵庫県立大学大学院)

10:15 〜 10:30

[MIS14-06] 新潟県佐渡島大佐渡地域南部の新第三系の層序区分の改訂 —ジオパークと層序学−

柳沢 幸夫1、*渡辺 真人1 (1.産業技術総合研究所地質情報研究部門)

キーワード:新第三系、層序区分、珪藻化石層序、ジオパーク、佐渡島

佐渡島には古第三紀末から新第三紀にかけての火山岩・火砕岩、堆積岩が広く分布する。こうした地層は日本海の地史を明らかにする上で重要であり、また佐渡ジオパークでもこれらの地層に記録された日本海の生成・発展の歴史をストーリーとして提供している。
発表者らは佐渡島大佐渡山地南部に分布する海成新第三系の年代層序を珪藻化石により詳細に検討するとともに、野外において岩相の変化を再検討した。その結果、従来の層序区分の境界の一部は同時間面と大きく斜交していること、また境界の一部が、層序区分設定後に詳細に判明した地史上の重要なイベントとうまく対応していないことが明らかとなった。これらの問題をある程度解消し、佐渡島の地史をより良く理解する枠組みとして新たな岩相層序区分を提案する。従来の層序区分からの変更点は以下の通りである。
1. 従来の下戸層を二分し、上部を独立した地層とする。両者の境界は急速な海進を示すラビンメント面であり、日本海側の前期中新世末に広く認められる海進イベントに相当する。
2. 従来の鶴子層を廃止して中山層に含め、中山層を再定義する。従来の鶴子層と中山層の境界は、堆積時の初生的な境界ではなく続成作用の結果生じた後生的な境界であり、同時間面と大きく斜交することが発表者らの珪藻化石層序学的研究により実証された。したがってこの境界は地層境界としては適切でないと判断して削除し、鶴子層と中山層を一括して再定義する。
3. 従来の中山層のうち、同層上部に認められる海緑石層より上位の部分を中山層から分離して新たな地層として設定する。この境界は新潟県北部を中心とした新潟堆積盆東縁に広く分布する広域的なhiatusに相当する。
以上のような層序区分の改訂により、日本海東縁における地史的イベントを佐渡島の層序の中に位置づけ理解することが従来よりも容易になった。こうした層序区分の改訂は、ジオパークにおける地史の解説においても有用であると考えられる。すでにジオパークに認定されている他の地域においても、従来の岩相層序が現在判明している地史とは整合的でない例がある。ローカルな層序学的研究は現在盛んとは言いがたく、そうした不一致がなかなか解消されないのが現状である。各ジオパークの専門員と層序学研究者が共同研究することにより、合理的な層序区分を確立していくこともジオパーク活動にとって必要ではないだろうか。