JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS14] [JJ] ジオパーク

2017年5月21日(日) 13:45 〜 15:15 A01 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:藁谷 哲也(日本大学大学院理工学研究科)、平松 良浩(金沢大学理工研究域自然システム学系)、松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、尾方 隆幸(琉球大学島嶼防災研究センター)、座長:平松 良浩(金沢大学理工研究域自然システム学系)、座長:尾方 隆幸(琉球大学島嶼防災研究センター)

14:00 〜 14:15

[MIS14-08] 大気水圏現象を中心とする領域横断的ジオストーリー:大東諸島の事例

*津島 俊介1尾方 隆幸2 (1.水戸地方気象台、2.琉球大学島嶼防災研究センター)

キーワード:ジオストーリー、大気科学、水文科学、大東諸島

日本のジオパークにおいて大気圏および水圏の地球科学的事象が十分に扱われていないことを踏まえ,気象気候と水に重点を置いたジオストーリーと,それに基づくジオツアー用のガイドブックを作成した。大東諸島の気候は,地理的に太平洋高気圧の影響を受けやすいことに加え,地形による上昇流が発生しにくいこと,放射冷却による接地逆転層が形成されやすいことなど,環礁が隆起した特徴的な地形の影響も強く受ける。地表面はほぼ全てが第四系の石灰岩に覆われるため,陸面の水循環もカルスト地形に制約される。これらの大気水圏科学的な事象を,大東諸島に特有の地史と組み合わせることによって,地球科学的事象をシームレスに理解させる教材になるよう心がけた。さらに,南大東島には「南大東島地方気象台」があり,自動放球装置による高層気象観測も行われ,一般観光客の見学も多い。こうした施設をジオツアーに組み込むことは,最新の研究に直接触れることができる点で,教育的な意義も大きい。