JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS14] [JJ] ジオパーク

2017年5月21日(日) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:藁谷 哲也(日本大学大学院理工学研究科)、平松 良浩(金沢大学理工研究域自然システム学系)、松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、尾方 隆幸(琉球大学島嶼防災研究センター)

[MIS14-P08] ジオパーク活動と連携した地域の色を核とする教科融合型学習の開発

*西口 宏泰1藤井 康子1麻生 良太1大野 歩1藤井 弘也1堀内 悠2恒賀 健太郎3木村 典之4照山 龍治5 (1.大分大学、2.おおいた姫島ジオパーク推進協議会、3.大分県生活環境部、4.大分県教育委員会、5.大分県芸術文化スポーツ振興財団)

キーワード:教科融合型教育プログラム、地域の色、姫島(大分県)、ジオパーク活動

学校教育における知の総合化においては、
・総合的な学習は教科の補充・発展学習等と混同された実践が見られたり、子どもの学ぶ意欲や学び方に問題がある。
・また学ぶ意欲に関しては児童・生徒の好奇心を刺激し、主体的な学びにつながる単元、題材が不足している。
・学び方に関しては各教科を横断した総合的にな知識・技能の活用にむけての計画に課題が残っている。
・人材育成の観点からは、自分の思いや考えを相手に伝えることや自分たちの生まれた地域や風土の魅力について感じる機会が少なく伝えることができない。
・単独の知識を覚えることは得意であるがその知識同士を組み合わせたり結び付け、融合した新しいものを生み出すことが苦手である。
といった課題がある。
大分県芸術文化スポーツ振興財団(県立美術館)はH26年度から大分県の石や土、草木から顔料や染料を作り、絵を描いたり、布を染めるなど、自然物の色で「一人一色 10,000色」を創るアート・ワークショップの実践を行ってきた。また大分県はH23年度からおおいた姫島ジオパークを活用した総合的な学習について取り組んできた。
本研究は上記の問題を解決すべく全国的にも特異な地形・地質を有する大分県姫島村において地域の「色」への気づきから自然科学,歴史,文化等に繋がる探究的な学びを幼稚園年長から小学校において開発・実践し,「色」を主題とする教科融合型学習プログラムの学習モデル(姫島)とその一般化を目指すモデル(大分)の構築を目的とした。
研究の意義としては,地域特性を主題とするアートとサイエンスが融合した探究型学習モデルの確立と地域活性化や課題解決など地域創生に繋がる学びの提案である。研究のきっかけとして提供する美術館のワークショップは感性と好奇心を刺激し,学びの動機付けとなる。また,地域に特徴的な鉱物や植物等に意識的に触れることにより,地域の魅力を感じることができる。
大分県姫島村のジオパークを教育資源として活用し,大分大学と大分県芸術文化スポーツ振興財団(県立美術館),大分県教育委員会,姫島村、姫島村教育委員会、学校とが連携し,アートから始まる教科融合型学習「ひめしま探究型学習プログラム」を作成すべく、研究の実施体制の確立にむけての取り組みやモデル校に対しての活動,「色農園」・「色のアトリエ(マテリアルボックス)」等の事例について報告する。

本研究はJSPS科研費 JP16H03799の助成を受けたものです。