JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS14] [JJ] ジオパーク

2017年5月21日(日) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:藁谷 哲也(日本大学大学院理工学研究科)、平松 良浩(金沢大学理工研究域自然システム学系)、松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、尾方 隆幸(琉球大学島嶼防災研究センター)

[MIS14-P17] 南紀熊野ジオパークにおける地震火山こどもサマースクールの活動記録

*日色 知也1田中 美穂2地震火山こどもサマースクール 運営委員会3 (1.信州大学、2.気象庁、3.日本地震学会)

キーワード:災害教育、ジオパーク、南紀熊野、紀伊半島

毎年8月頃, 日本地質学会, 日本火山学会, 日本地震学会を中心として「地震火山こどもサマースクール」が行なわれている. 平成28年度は南紀熊野ジオパークにて, 「南紀熊野の海と山の秘密」をテーマに子どもたちが見慣れた景色の意味を深く知り, そこに隠れた大地の営みを実感し, 地震やマグマの活動, 土砂・津波災害など自然災害の本質や自然とのかかわり方を考えるものであった. 参加者は小・中・高校生のべ38名で, 開催地の和歌山県内に限らず, 全国から子どもたちが参加した.
 プログラムは全2日間にわたり行われ, 屋外では橋杭岩や古座川の一枚岩, K-NET串本観測点などを見学した. 屋内では堆積物の波浪による侵食作用に関する実験やゼリーとラー油を用いたマグマだまり発生実験を行なった. また, 専門家の先生方, 串本町のジオパークガイドの方々によるテーマ別の講義も行われ, 子どもたちも真剣に見聞きしていた. プログラムの最後には予め分けていた8チームがチームごとにプログラムの2日間で学んだ内容をまとめ, 口頭発表をした.
 プログラム終了後, 実行委員会にてサマースクール全体の良好点, 改善点について参加スタッフの意見, 子どもたちからのアンケート結果をもとに今後の方針を決めることも踏まえて話し合った. スタッフからの意見として多かったのは, 事前協議が十分ではなく, その場での対応に困惑したというものであった. 参加スタッフの拠点地は全国様々であり, なかなか集まって統一見解を持つことができず, サマースクール当日を迎えてしまうというのが現状であり, 次年度以降改善が必要である. 一方, 子どもたちからのアンケート結果では実験やグループでの話し合いの満足度が高く, 子どもたち自らが手を動かし考えることに重きを置くというサマースクールの目的は達成されている. また, 多くの子どもたちがサマースクールで得たことから各地のジオパークに興味を持ったり, 地域の防災について考えたりしたいと回答していることから, 子どもたちにとってとても有意義な行事であったことが示唆される. 今後も地震火山こどもサマースクールを開催し, 子どもたちが普段経験することのできないことに触れる機会を作っていく必要があると考える.