JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS15] [JJ] 地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ

2017年5月24日(水) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:伊賀 啓太(東京大学大気海洋研究所)、吉田 茂生(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、柳澤 孝寿(海洋研究開発機構 地球深部ダイナミクス研究分野)、相木 秀則(名古屋大学)

[MIS15-P04] シースプレー測器による海上観測計画:海面砕波と海洋性エアロゾル生成の時空間構造を捉える

*相木 秀則1根田 昌典2田中 潔3久島 萌人1油布 圭4 (1.名古屋大学 宇宙地球環境研究所、2.京都大学 大学院理学研究科、3.東京大学 大気海洋研究所、4.九州大学 応用力学研究所)

キーワード:シースプレー観測、波浪境界層、海洋性エアロゾル

台風シミュレーション研究などで最近では大気・海洋・波浪結合領域モデルがよく使われているが,将来的には大気側にはエアロゾルプロセスを海洋側には低次生態系プロセスを組み込み,大気海洋間フラックスによる包括的な影響の整合性検証をすることが期待されている.従来の大気化学研究では衛星や地上ライダー観測によって上空数百mから数kmにかけてのエアロゾル分布と雲物理の関係解明を推進してきた.ところが海洋性エアロゾルの生成源である海面近傍(海面から海上数mまでの範囲)のシースプレー観測は国内ではあまり行われていない.そこで本研究プロジェクトでは,海上観測プラットホーム(係留ブイ・海上観測塔)のような強風・塩水飛沫にさらされる環境下において、シースプレーの粒径別個数の時系列を計測できるような測器の実用化を目指している.2016年度には防水・軽量・省電力型の光学粒子計とロガーの一体型測器の試作機を独自に調達した.この試作機の特徴は(i)将来的には超音波乱流風速計と同期させてフラックス測定(渦相関法)ができるようにシースプレーの測定間隔が0.1秒になっている,(ii)風波の一つ一つの砕波による空気中の粒子数変化や水面波との位相関係を調べる事ができるように3軸加速度計を内蔵していることである.2017年度には,試作機および観測システムの安定度および測定精度の検証・将来的なフラックスに向けた技術的な問題点の抽出と解決方法の検討する.具体的には,京都大学防災研究所白浜海象観測所(和歌山県田辺中島高潮観測塔)や東京大学大気海洋研究所国際沿岸海洋研究センター(岩手県大槌湾内係留ブイ)との共同利用・研究協力制度を使って初期試験を行う.