09:00 〜 09:15
[MIS16-01] 日本海東縁、上越沖の海鷹海脚における表層ガスハイドレート「濃集層準」の認定
キーワード:浅層ガスハイドレート、濃集層準、日本海
上越沖の海鷹海脚には、表層ガスハイドレートが胚胎している。2015年度の海鷹海脚における掘削同時検層(LWD)と、試料採取のためのコアリングの結果、そして高分解能3次元地震探査による調査結果の3者を組み合わせることで、海鷹海脚の地下に存在するガスハイドレートは、いくつかの「濃集層準」に区分でき、広く追跡できることが分かった。
濃集層準の認定
連続的デジタルデータの得られたLWDでは、特に音波速度(Vp)が速くなる部分が複数の層準に区分できる。近接した場所で掘削し試料を採取した結果、それはガスハイドレートの濃集層準であることが確認できた。この「濃集層準」では主に、板状・脈状・粒状のガスハイドレートが泥質堆積物中に密集あるいは散在する。その密度は「濃集層準」や掘削サイトにより異なる。炭酸塩団塊は船上でのコア観察では確認できなかった。
この「濃集層準」のそれぞれの層序上での音波速度の変化パターンは、異なったLWD掘削地点において、多くは類似した形、層序的位置に見られ、見た目で対比可能である。ただし異常に音波速度が速く、速い部分が厚く続くような、ガスハイドレートが特に高く濃集する一部のマウンドでは、その対比は困難である。
3次元地震探査による裏付け
高分解能3次元地震探査による調査結果から、上記のLWDデータの音波速度変化のパターンで推定した各「濃集層準」の対比にほぼ誤りないことが裏付けられた。そして、この特定の「濃集層準」は、ほぼ南北2kmにわたって追跡できることが確認された。3次元地震探査で見られる縞状構造は、一部のマウンドやポックマークの内部を除くと、全体的には海底面に平行に発達する。「濃集層準」は一部で珪藻群集の変化により同時代面が設定できるが、それが縞状構造と大きく斜交することは確認できていない。
解釈
広く追跡できる「濃集層準」のガスハイドレートが形成されたのは、ガスハイドレートの産状からホストとなる泥質堆積物の堆積と同時ではなく、堆積後のある時期に、海底面下のある程度の深度で、未固結〜半固結状態の泥を排除してできたものと推定している。しかし、これら「濃集層準」が形成された深度、ガスの供給時期や供給原因、そもそもなぜ「層準」として形成されたのか、などの詳細はわからない。
本研究は経済産業省のメタンハイドレート開発促進事業の一部であり、産業技術総合研究所の再委託により実施した。
濃集層準の認定
連続的デジタルデータの得られたLWDでは、特に音波速度(Vp)が速くなる部分が複数の層準に区分できる。近接した場所で掘削し試料を採取した結果、それはガスハイドレートの濃集層準であることが確認できた。この「濃集層準」では主に、板状・脈状・粒状のガスハイドレートが泥質堆積物中に密集あるいは散在する。その密度は「濃集層準」や掘削サイトにより異なる。炭酸塩団塊は船上でのコア観察では確認できなかった。
この「濃集層準」のそれぞれの層序上での音波速度の変化パターンは、異なったLWD掘削地点において、多くは類似した形、層序的位置に見られ、見た目で対比可能である。ただし異常に音波速度が速く、速い部分が厚く続くような、ガスハイドレートが特に高く濃集する一部のマウンドでは、その対比は困難である。
3次元地震探査による裏付け
高分解能3次元地震探査による調査結果から、上記のLWDデータの音波速度変化のパターンで推定した各「濃集層準」の対比にほぼ誤りないことが裏付けられた。そして、この特定の「濃集層準」は、ほぼ南北2kmにわたって追跡できることが確認された。3次元地震探査で見られる縞状構造は、一部のマウンドやポックマークの内部を除くと、全体的には海底面に平行に発達する。「濃集層準」は一部で珪藻群集の変化により同時代面が設定できるが、それが縞状構造と大きく斜交することは確認できていない。
解釈
広く追跡できる「濃集層準」のガスハイドレートが形成されたのは、ガスハイドレートの産状からホストとなる泥質堆積物の堆積と同時ではなく、堆積後のある時期に、海底面下のある程度の深度で、未固結〜半固結状態の泥を排除してできたものと推定している。しかし、これら「濃集層準」が形成された深度、ガスの供給時期や供給原因、そもそもなぜ「層準」として形成されたのか、などの詳細はわからない。
本研究は経済産業省のメタンハイドレート開発促進事業の一部であり、産業技術総合研究所の再委託により実施した。