JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS18] [JJ] 大気電気学

2017年5月22日(月) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:鴨川 仁(東京学芸大学教育学部物理学科)

[MIS18-P02] 夏季雷雲起源高エネルギー放射線の発生位置

*高橋 周作1Bowers Gregory2鴨川 仁1石川 朗子1Smith David2鳥居 建男3林 修吾4 (1.東京学芸大学教育学部物理学科、2.カリフォルニア大学 セントクルーズ校、3.日本原子力研究開発機構、4.気象研究所)

キーワード:高エネルギー放射線、雷雲、富士山

2013年および2016年の夏に富士山頂で高エネルギー放射線の観測を行った。その結果、2013年7月26日、8月5日、2016年8月26日において、雷雲の接近に伴って、およそ10 % ガンマ線量の増加がみられた。X-band MP radar解析からいずれの事例も雷雲の衰退期に発生しており、雷雲下部の負電荷領域が、縮小した状態だった。負電荷が形成する電場は山頂で計測できるが、火口縁上の電場値として-30 kV/m程度の電場しか計測されていないことからも、Gurevichら(1992)が提唱するRelativistic runaway electron avalanche (RREA)仮説は、この負領域で発生できない。一方、負電荷の縮小時には、雷雲上部の正電荷は十分に残されていると推察される。この上部の正電荷がRREAを発生させた可能性がある。