JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS18] [JJ] 大気電気学

2017年5月22日(月) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:鴨川 仁(東京学芸大学教育学部物理学科)

[MIS18-P03] 広帯域レーダ,広帯域干渉計およびLLSで観測された雷雲と雷活動の時間変化

*宮本 裕紀1森本 健志1中村 佳敬2酒井 英男3清水 雅仁4永田 広大4 (1.近畿大学、2.神戸市立工業高等専門学校、3.富山大学、4.中部電力)

キーワード:雷放電、レーダ、雷雲

シビアストームにより引き起こされる集中豪雨やダウンバースト、竜巻などが自然災害に至り、我々の生活に深刻な影響を与えている。従来のレーダの多くはマクロ、またはメソスケールの降水システムの観測を目的として運用されているため、数十秒間で大きく変化する気象現象の把握には適さない。シビアストームの生成と発達の観測や、これらが引き起こす自然災害の予測のためには、時空間分解能が十分高い必要がある。また、シビアストームと雷放電は密接に関係していることが報告されている。そこで本研究では、従来のレーダに比べ、時空間分解能が高いKu帯広帯域レーダ(Kuレーダ)とVHF帯広帯域干渉計(干渉計)、および落雷位置標定装置(LLS)を使用して、富山県魚津市に発生する雷雲の構造および雷放電を高分解能で観測し、得られたデータを解析する。

本研究では富山県魚津市大町公民館にKuレーダと干渉計を設置し、LLSとともに雷雲および雷放電の観測を行った。Kuレーダを中心とした半径20㎞を解析対象範囲とし、その範囲内で観測された降水粒子による高度毎のレーダ反射強度、雷放電進展に伴い放射されるVHF電波のパルス数、落雷数および電流値の時間変動を解析した。その結果、雷放電のピークではブライトバンドが観測されなくなり、反射強度が高高度から順に弱まった。雷放電時に、雷雲内での対流活動が活発に起こる様子が観測された。今後は雷雲の形状や雷放電進展の高度についても調べていく予定である。