[MIS19-P10] 森林土壌炭素インベントリにおける枯死木データの基礎的解析
キーワード:土壌炭素蓄積、森林生態系、インベントリ
森林生態系内において枯死木等の枯死木はきわめて不均質な分布をしており、その高精度なインベントリの開発は炭素管理上の長年の課題となっている。
2006年度から開始した林野庁の土壌炭素インベントリ事業は、2016年度より第3期に入った。気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)における我が国の森林の炭素吸収・排出量の報告を適切に行うため、同一地点での反復測定を含む長期モニタリングのデータセットを整備する必要がある。調査項目としては、①土壌、②リター、③枯死木の3つの炭素コンパートメントに分かれる。本発表では、3つの炭素コンパートメントのうち、③枯死木について2011-2015年度に実施された第二期の調査結果をもとに、基礎的解析の報告を行う。
枯死木の調査は、ラインインターセクト法(ライン法)による倒木、ベルトトランセクト法(ベルト法)による根株と立枯木の測定を行い、単位面積当たり(m2)の枯死木の炭素蓄積量(kg)として集計している(表1)。第二期の堆積有機物の平均炭素蓄積量は、0.75±0.98kg m-2という結果となった。また、森林土壌炭素の3つのコンパートメントの総量に対する枯死木の占める割合は約1割(8.3%)を占めることが分かった。
伐採跡地などに成立した二次林における枯死木の生成要因としては、環境ストレス、気象によるもの(雪害、強風)、病気、競争、老化が考えられるが、人工林ではさらに人間の管理による間伐や皆伐が加わる。二次林での枯死木の平均炭素蓄積量は0.60±0.83 kg m-2、人工林のスギ林では1.16±1.24kg m-2、ヒノキ林では1.14±0.94kg m-2であった。二次林と人工林では枯死木の平均炭素蓄積量に大きな違いがあり、スギ林では10—19年生で最も平均蓄積量が多かった(図1)。さらに、人工林における管理形態や地上部バイオマス情報を加味して、枯死木の炭素蓄積量の林種別、林齢別の基本的解析について発表を行う。
2006年度から開始した林野庁の土壌炭素インベントリ事業は、2016年度より第3期に入った。気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)における我が国の森林の炭素吸収・排出量の報告を適切に行うため、同一地点での反復測定を含む長期モニタリングのデータセットを整備する必要がある。調査項目としては、①土壌、②リター、③枯死木の3つの炭素コンパートメントに分かれる。本発表では、3つの炭素コンパートメントのうち、③枯死木について2011-2015年度に実施された第二期の調査結果をもとに、基礎的解析の報告を行う。
枯死木の調査は、ラインインターセクト法(ライン法)による倒木、ベルトトランセクト法(ベルト法)による根株と立枯木の測定を行い、単位面積当たり(m2)の枯死木の炭素蓄積量(kg)として集計している(表1)。第二期の堆積有機物の平均炭素蓄積量は、0.75±0.98kg m-2という結果となった。また、森林土壌炭素の3つのコンパートメントの総量に対する枯死木の占める割合は約1割(8.3%)を占めることが分かった。
伐採跡地などに成立した二次林における枯死木の生成要因としては、環境ストレス、気象によるもの(雪害、強風)、病気、競争、老化が考えられるが、人工林ではさらに人間の管理による間伐や皆伐が加わる。二次林での枯死木の平均炭素蓄積量は0.60±0.83 kg m-2、人工林のスギ林では1.16±1.24kg m-2、ヒノキ林では1.14±0.94kg m-2であった。二次林と人工林では枯死木の平均炭素蓄積量に大きな違いがあり、スギ林では10—19年生で最も平均蓄積量が多かった(図1)。さらに、人工林における管理形態や地上部バイオマス情報を加味して、枯死木の炭素蓄積量の林種別、林齢別の基本的解析について発表を行う。