[MIS23-P18] インドネシア・セリブ島から採取されたサンゴ骨格中Sr/Ca比を用いた50年以上にわたる海水温の復元
インドネシア多島海は太平洋とインド洋の間に位置しており、El Niño/南方振動 (ENSO) やアジアモンスーン、インド洋ダイポールといった気候変動の研究において重要な場所である。しかしながら、海水温や塩分の計器や観測による記録は、インドネシア多島海周辺の気候システムについて理解するには十分な報告がされていない。そこで、本研究では、インドネシア・セリブ島から採取されたサンゴコア中のSr/Ca比から50年以上の海水温の復元を行った。Sr/Ca比の測定はICP-OESを使用し月単位の時間分解能で測定を行い、その測定誤差は0.3%未満である。本発表では、サンゴのSr/Ca比から復元された海水温の記録とその時系列解析に基づき、インドネシア周辺の海水温と気候イベントとの関係について考察していく。