[MIS23-P20] 北東アラビア海の海洋コアから発見されたeolianーsand turbiditesの特徴と形成時期
キーワード:eolian-sand turbidite、北東アラビア海、海水準変動、海洋コア
北東アラビア海から採取された過去11万年間をカバーしているER-4海洋コア(長さ14.5m,水深3,550m)は,主に石灰質泥からなりインドモンスーンの影響下にある。そのコアに,コアトップから205cm付近に層厚約2cmのfine sand,627cm付近に層厚約6cmのmedium sandが含まれていた。それらは,それぞれ約0.2mm,0.5mmの平均粒径を示し,主にmarbleで構成された非常に良く淘汰,円摩された灰色ペレット状の岩片が多量に含まれていた。酸素同位体層序や古地磁気層序などから,2層準の岩片が堆積した年代は,627cm付近の岩片はHeinrich event 5の直後,205cm付近の岩片はLGM直後にあたり,ともに寒冷期の直後に相当し,海水準の低下した時期から急激に上昇する温暖期へ移行した時期に形成したと考えられる。したがって,2層準のsand layerの特徴と堆積年代から,eolian-sand turbidites (Sarnthein and Diester-Haass, 1977)であると考えられる。これらの起源は,インド大陸北部に分布するタール砂漠であると考えられ,寒冷期の低海水準期に北東モンスーンの影響下においてsand duneが海側に漸進し,温暖期へ移行した高海水準期にそれらが海底斜面を流れ下り,本コアサイトに到達し堆積したと考えられる。本発表では,北東アラビア海から採取された海底コア(ER-4)に挟在するeolian-sand turbiditesについて記載し,形成時期と気候変動についても報告する.