JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS23] [JJ] 古気候・古海洋変動

2017年5月23日(火) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:入野 智久(北海道大学 大学院地球環境科学研究院)、岡 顕(東京大学大気海洋研究所)、北場 育子(立命館大学古気候学研究センター)、佐野 雅規(総合地球環境学研究所)

[MIS23-P20] 北東アラビア海の海洋コアから発見されたeolianーsand turbiditesの特徴と形成時期

*村山 雅史1,3山下 広大2山本 裕二3入野 智久4 (1.高知大学農林海洋科学部海洋資源学科、2.高知大学大学院総合人間自然科学研究科、3.高知大学海洋コア総合研究センター、4.北海道大学大学院地球環境科学研究院)

キーワード:eolian-sand turbidite、北東アラビア海、海水準変動、海洋コア

北東アラビア海から採取された過去11万年間をカバーしているER-4海洋コア(長さ14.5m,水深3,550m)は,主に石灰質泥からなりインドモンスーンの影響下にある。そのコアに,コアトップから205cm付近に層厚約2cmのfine sand,627cm付近に層厚約6cmのmedium sandが含まれていた。それらは,それぞれ約0.2mm,0.5mmの平均粒径を示し,主にmarbleで構成された非常に良く淘汰,円摩された灰色ペレット状の岩片が多量に含まれていた。酸素同位体層序や古地磁気層序などから,2層準の岩片が堆積した年代は,627cm付近の岩片はHeinrich event 5の直後,205cm付近の岩片はLGM直後にあたり,ともに寒冷期の直後に相当し,海水準の低下した時期から急激に上昇する温暖期へ移行した時期に形成したと考えられる。したがって,2層準のsand layerの特徴と堆積年代から,eolian-sand turbidites (Sarnthein and Diester-Haass, 1977)であると考えられる。これらの起源は,インド大陸北部に分布するタール砂漠であると考えられ,寒冷期の低海水準期に北東モンスーンの影響下においてsand duneが海側に漸進し,温暖期へ移行した高海水準期にそれらが海底斜面を流れ下り,本コアサイトに到達し堆積したと考えられる。本発表では,北東アラビア海から採取された海底コア(ER-4)に挟在するeolian-sand turbiditesについて記載し,形成時期と気候変動についても報告する.