JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS23] [JJ] 古気候・古海洋変動

2017年5月23日(火) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:入野 智久(北海道大学 大学院地球環境科学研究院)、岡 顕(東京大学大気海洋研究所)、北場 育子(立命館大学古気候学研究センター)、佐野 雅規(総合地球環境学研究所)

[MIS23-P26] 不可能を可能に!:バルト海の最も深い海盆から得られた膨張コアの後期更新世〜完新世年代決定の誤差解明

*オブラクタ スティーブン1Andrén Thomas2Fazekas Szilárd3Lougheed Bryan4Snowball Ian4横山 祐典5宮入 陽介5近藤 玲介6Kotilainen Aarno7Hyttinen Outi8Fehr Annick9 (1.秋田大学大学院国際資源学研究科、2.Södertörn University、3.秋田大学大学院理工学研究科、4.Uppsala University、5.東京大学大気海洋研究所、6.皇學館大学教育開発センター、7.Geological Survey of Finland、8.University of Helsinki、9.Aachen University)

キーワード:14C、IODP、年代モデル、堆積物の膨張、古地磁気

IODPサイトM0063(459 mbsl)のコア試料は、バルト海の最も深い海盆から採取され、有機物とガスが多く含まれているラミナ層が特徴の堆積物である。掘削オペレーションでは、最初のホールで伸びた堆積物の欠損率が高かったため、それ以降は、3.3mのコアのストロークを約2mにし、1m以上の膨張量に対処できるよう、バッファーを設ける掘削作業を行った。ほとんどのコアは、コアバレル中に完全に堆積物が充填されており、体積膨張が1.5倍以上に達していたことを示した。コアの最上部1mのガンマ線密度の値は非常に低く、指数関数的に減少している傾向が全体的に認められたので、膨張は主に上端部に限られていると考えられる。また堆積物の磁化率も指数関数的な変化傾向を保持しているので、単純な線形補正による膨張補正は不適切であると提案する。本研究では新たに提唱した手法により、ホールM0063C、Dの平均ガンマ線密度のプロファイルを用いて、膨張関数を得た。それらをコア毎に適用し、深度スケールを実際に記録されているストローク深度までに戻す。本発表では、多数の14C年代と、平均ガンマ線密度のプロファイルの標準偏差から、深度スケールの誤差とリザーバ効果の誤差が堆積速度にもたらした影響を調べた結果について発表する。