JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS24] [JJ] 海底~海面を貫通する海域観測データの統合解析

2017年5月22日(月) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:有吉 慶介(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、木戸 元之(東北大学 災害科学国際研究所)、稲津 大祐(東京海洋大学)、高橋 成実(防災科学技術研究所)

[MIS24-P01] 十勝・釧路沖における海底圧力変動と海洋傾圧性渦との関連

★招待講演

*長谷川 拓也1永野 憲1松本 浩幸1有吉 慶介1 (1.国立研究開発法人海洋研究開発機構)

キーワード:海底圧力変動、海洋渦

本研究は、海底圧力変動と海洋気候変動との間に観られる関係を解明することを目的とする。そのために、十勝・釧路沖においてJAMSTECによって観測された長期海底圧力データ、衛星観測海面高度データ、船舶観測水温塩分データ(CTD)などを解析する。十勝・釧路沖に設置された二点(ステーションPG1およびPG2)の海底圧力データは、2004年から2013年の観測期間中、2006年から2007年を除く期間は良く似た変動を示した。両者が異なる変動を示す2006年から2007年に注目すると、PG1の海底圧力変動は海面高度変動と連動した振る舞いを示していたが、PG2は海面高度変動と連動していなかった。その理由を探るために、PG2の近傍で実施されている繰り返し海洋観測ライン(A-Line)の水温・塩分データを解析した。その結果、2006年から2007年には他の期間で見られないレンズ状の傾圧性渦が海洋中層1500dbarから2000dbarに存在することが明らかになった。この傾圧性渦の存在によってPG2の海底圧力が2006年から2007年にはPG1とは異なり、海面高度変動と連動しなかった可能性がある。この結果は、海底圧力変動の理解のためには海面高度に加えて、海洋内部の水温・塩分観測が必要であることを示唆する。