JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-ZZ その他

[M-ZZ42] [JJ] 地球科学の科学史・科学哲学・科学技術社会論

2017年5月21日(日) 10:45 〜 12:15 A07 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:矢島 道子(日本大学文理学部)、山田 俊弘(東京大学大学院教育学研究科研究員)、青木 滋之(会津大学コンピュータ理工学部)、吉田 茂生(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、座長:青木 滋之(会津大学コンピュータ理工学部)、座長:吉田 茂生(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)

11:30 〜 11:45

[MZZ42-10] 宇宙論からみた人生の意味

*青木 滋之1 (1.会津大学コンピュータ理工学部)

キーワード:地球惑星科学の哲学、科学哲学、哲学

人生の意味という「哲学的」な議論を見渡したとき、陰に陽に宇宙論を念頭に置いた発言があることに気付かされる。例えば、人生の無意味さを説いた著名な哲学者であるT.ネーゲルは、ミクロレベル(個人の幸福など)から見ても、マクロレベル(人類の繁栄、文明や文化の進歩など)から見ても、人生は無意味だと断じるが、その究極的な根拠というのは、「つまるところ、太陽系は冷却するか、宇宙は徐々に縮小するか潰れてしまうわけだから、あなたの努力の痕跡はすべて消え去ってしまう」というものである(Nagel 1979; 1987)。他方、宇宙論者の中には、現代宇宙論の哲学的帰結として、生命や人生の積極的な意味が取り出せると論ずる者も少なくない。この発表では、ネーゲルらが主張するタイプのニヒリズムが依拠する宇宙論的前提および議論構造を問い直したい。