JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-ZZ その他

[M-ZZ42] [JJ] 地球科学の科学史・科学哲学・科学技術社会論

2017年5月21日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:矢島 道子(日本大学文理学部)、山田 俊弘(東京大学大学院教育学研究科研究員)、青木 滋之(会津大学コンピュータ理工学部)、吉田 茂生(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)

[MZZ42-P04] レビュー:マインドクライメート研究に関連する諸研究

*上野 ふき1藤本 詢也1大橋 勇太1飯田 貴将1 (1.中京大学)

キーワード:マインドクライメート、環境決定論、遺伝子決定論、宗教、文化心理学

マインドクライメートとは、美意識、志向性、価値観、道徳観、倫理観、世界観などの「観(センス)」のことであり、またそれを培う環境のことである。上野・熊澤等はそのマインドクライメート(精神風土)の社会的機能、形成、実態、変遷の総体を科学(観測、モデリング、介入実験)の対象にすることを試みている。この概念は社会心理学で扱われている集団心理、集団思考や、文化心理学における暗黙知に類似するものであるが、本研究では地球史の観点から地理・気候などの物理環境、遺伝などの生命・生態環境、そして文化を育んでいる社会人間環境の全てを体系的に捉えている点が特徴的である。彼らはマインドクライメートの形成過程、分類、関係性についてのモデルを提案しているが、そのモデル内部が明確になっていない。
 そこで、本発表では、モデルで分類されている物理環境、生命・生態環境、社会人間環境に関連する諸研究のレビューを行う。物理環境では、気候や地形がもたらす影響、具体的には環境決定論の紹介を行い、生命・生態環境では、遺伝とエピジェネシスなどがもたらすヒトの性質、性格への影響をまとめる。社会人間環境では、刷り込み現象、習慣、宗教などの影響を紹介し、モデルの肉付けを図る。
 本研究は中部大学問題複合体を対象とするデジタルアース共同利用・共同研究 IDEAS201608の助成を受けたものである。