JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-05] 高校生によるポスター発表

2017年5月21日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

13:45 〜 15:15

[O05-P32] ピンホール式プラネタリウムの4つの改良点

*下村 和1、*上岡 妃香1、*来見田 虎太郎1、*松元 瞭河1、*山本 要1 (1.横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校)

キーワード:自作プラネタリウム

本校天文部星作班では、プラネタリウムで投影する星空を実際の星空に近づけることを目標に日々投影機の改良を行っている。現在は5期生が製作した投影機を一般の方に投影している。今回はその投影機のさらなる質の向上のため、像の大きさ、星の色、土台に関する研究等を行った。
 現在の投影機の問題点は4つある。1つ目は星の明るさを穴の大きさで表現しているため、明るい星の像が極端に大きくなってしまうことである。2つ目はすべての星の色が同じ色になってしまうことである。3つ目は表現する星の等級の範囲が広くなることによって、その範囲に合った穴の大きさを再設定する必要が出てくることである。4つめはさらに多くの星を表現するために投影機を大きくするため、その重量に耐えられる土台が新たに必要となることである。本研究では、今後新たな投影機を作るにあたって、光源の検討や星に色を付けることでこれらの課題を改善するとともに、土台の形状と星図の工夫を試みた。
 まず光源について、現在の投影機は中心部に豆電球(ミニマグ電球)を使用している。今年は新しい光源候補のEX電球と、従来のミニマグ電球の比較を行った。その結果、エアドームに投影された像の直径はミニマグ電球の方が小さかった。次に星の色について、M型恒星の再現を目標とし、3種類の写真撮影用色補正フィルターであるCCフィルター(富士フイルム)を使用して、どの種類のCCフィルターが実際の星の色(スペクトル)に近いか実験した。スペクトルは、デジタル分光器(オーシャンフォトニクス株式会社)を使用して測定した。その結果、3種類のうち2種類(R40、R50)のCCフィルターを使用してとったスペクトルの最高値が一番実際の星のスペクトルの最高値に近かった。さらに土台について、今年製作予定の投影機のサイズが大きくなるにあたり、しっかりと支えることができる土台の形状を考えた。その結果、イレクター自体の形状は変えず、それに加えてクッション材を使用し、支点を増やすことにした。最後に、星の等級に対する穴の大きさについて、等級の幅が広くなるにあたって、投影機に開ける穴の大きさを変更した。