13:45 〜 15:15
[O05-P51] 地震の「なみ」からみえてくること
キーワード:地震、大森の距離公式
昨年度からのSSH研究で,「大森の距離公式」(地震までの震源距離と観測点で観測される初期微動時間との間に成り立つ比例関係を表した公式)に用いられる定数kに着目した発表を行った.この研究では,防災科技研が運用するHi-Netが無料で公開している地震のイベント波形データを波形解析ソフトWin systemで処理し,個々の地震について,走時曲線を描くこと,またP波,S波の到着時刻を目視で算出することによって,大森の距離公式の係数kの正確な値の算出を試みた.その結果,我々の解析では中学・高校の教科書に掲載されているkの値(6~8)より有意に大きな値(一般に8以上)が出ることが確認された.今年度の研究では昨年度同様の研究手法を用いて,特に地震の生じる地域(例えば、関東地方と九州地方など)による定数の差異や震源の深さによる影響などを考察した.