JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

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[O-05] 高校生によるポスター発表

2017年5月21日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

13:45 〜 15:15

[O05-P73] 海洋酸性化について

鈴木 萌未1、*篠山 壮佑1、*佐藤 友香1、*桜井 謙1 (1.神奈川県立横須賀高等学校)

キーワード:海洋酸性化、海水の液性、二酸化炭素排出量

私たちは「海洋酸性化を22世紀までに抑止することの可能性」について研究しました。海洋酸性化は深刻な問題で、自分たちの生活にも大きく関わる可能性があります。海洋酸性化の現状やそれが人間の生活にどのような影響をもたらすのかについて考察を深めるために、本テーマを選定しました。
第一に、海洋酸性化について定義付けをします。海洋酸性化とは、地球温暖化の増進などにより大気中の二酸化炭素が増加し、それにより多くの二酸化炭素が溶け込み海水が酸性化することです。海水は本来弱アルカリ性ですが、世界の一部地域では海水の酸性化が確認されています。珊瑚や貝の骨格や殻は、炭酸カルシウムで構成されています。海水の酸性化が進むと、炭酸カルシウムは溶出し、珊瑚や貝は自分の体を作りにくくなってしまいます。
第二に、海洋酸性化の原因を探るために実施した二つの実験を紹介します。
一つ目の実験では、物質の溶かす量による水のpH値の変化を、同量の水が入った複数のビーカーにそれぞれ異なる量の塩酸を加えることで調査しました。この実験からは、pH値が塩酸の量によって変化するという結果が得られました。
二つ目の実験では、液性による貝の質量の変化を調査しました。pH値の異なる4つのビーカー、それぞれの濃度を高くした4つのビーカーに貝を入れ、8日後の貝の質量の変化を調べました。その結果、どの液性でも貝の質量に変化が見受けられましたが、少なくとも酸性の液体で貝を溶かすことが可能であるということが明らかになりました。
以上のことから「海洋酸性化を止める方法は二酸化炭素の排出を減少させる必要がある」という結論が出ました。二酸化炭素の吸収を抑え、海に溶け込んだ二酸化炭素を取り除くことができれば進行を止められる可能性もあります。しかし、現段階ではそのような技術を発見できておらず、化石燃料の消費を抑えることも容易ではないため、解決は困難であるといえます。海洋酸性化を22世紀までに止めるということは叶わずとも、上記のような技術や、化石燃料に代替する燃料の発見が必要であると考察しました。