JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-05] 高校生によるポスター発表

2017年5月21日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

13:45 〜 15:15

[O05-P81] 糸魚川に竜宮城への入り口は本当に存在するのか!?~見どころ満載!海の中の弁天岩ジオサイト~

*土屋 颯太1、*佐々木 唯吹1金子 義昂1、小河原 孝彦2、竹之内 耕2、内山 俊洋3 (1.新潟県立海洋高等学校、2.フォッサマグナミュージアム、3.糸魚川市ジオパーク推進室)

キーワード:ジオパーク

海洋開発科海洋創造コースでは、文部科学省「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業の一環として、交流人口の増加を目的とした地域振興のために弁天岩ジオサイトを学習および観光資源として活かしたスノーケリングイベントを企画している。
 弁天岩とは、糸魚川ユネスコ世界ジオパークのジオサイトのひとつで、海面上まで突き出た大きな岩礁である。弁天岩が位置する糸魚川市能生周辺はフォッサマグナの海に形成された砂岩泥岩互層に100万年前に噴火した海底火山の噴出物が入り込んだ地質的特徴がある。その地質的特徴は天然魚礁となりサザエやマダコなどの水産上有用な生物が集まり、漁村を発達させ、古くははがせ船または北前船が停泊する海運の要所となった。海洋に関わる産業が発展した能生でひときわ目を惹く大きな岩礁は信仰の対象となり、水神を祀る厳島神社や航海安全の竜神を祀る祠が設置されるようになり、弁天岩と呼ばれるようになった。また、弁天岩の海中に没しているところには竜宮城への入り口があると言い伝えられている。このように弁天岩とその周辺は、特徴的な地質のうえに水産上有用な生物を含む生態系が形成され、それらを利用する地元民によって文化が築かれてきた。
 弁天岩にはジオサイトとしての「見どころ」が存在し、それを学習および観光資源として活用することで地域振興に寄与できると考えられる。海中の「見どころ」は海中に入らなければ見ることができないため、学習者や観光客には簡易な器材で行えるスノーケリングで水中を観察してもらうこととした。スノーケリングイベントでのガイドを行うためには、「見どころ」および引率するためのコースを検討する必要がある。
 そこで、本研究では弁天岩周辺における海中のジオサイトをスクーバ潜水で調査し、スノーケリングイベントでの「見どころ」の選定およびスノーケリングコースの検討を行うことを目的とした。
 潜水調査では竜宮城への入り口の他にも魚類や海藻などの「見どころ」があることが明らかとなった。
 海中のジオサイトをスノーケリングによって観察することは、比較的水温が高い夏季に限られる。また、海藻は季節の変化に伴い形態を変えて生活するため、通年で海中を観察することで学習を深められる。そこで、1年を通してより多くの人に、水中に入ることなく海中の「見どころ」を観察してもらう手法として海中遊歩道の建設を考えた。