JpGU-AGU Joint Meeting 2017

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[JJ] ポスター発表

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[O-06] [JJ] 日本のジオパーク-しくじりから見えてくるジオパークの理想像-

2017年5月20日(土) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)

[O06-P16] ジオツーリズムによる地域の持続的な経済発展

*宮崎 貴1坂口 豪1,2 (1.浅間山ジオパーク推進協議会、2.首都大学東京大学院)

キーワード:ジオパーク、ジオツーリズム、地域振興、浅間山

浅間山北麓ジオパークは2016年9月に日本ジオパークに認定された。浅間山北麓ジオパークのテーマは「浅間山とともに未来へ-破壊と再生がつなぐ人々の営み-」である。浅間山北麓の人びとは浅間山とともに暮らしてきた歴史がある。浅間山北麓ジオパークでは38のジオサイトが選定され、火山と人びとの生活が関わりのジオストーリーが構築されている。

 浅間山ジオパーク推進協議会としては構想段階から多くのモニターツアーを開催してきた。2014年度には、ガイド研修も兼ねたジオツアーイベントを3回開催し、各回とも30人前後の参加者が集まった。浅間山北麓ジオパークの主要なジオサイトである「鎌原集落や国特別天然記念物の浅間山熔岩樹型」、また拠点施設である「鬼押出し園や浅間園」がツアーでの対象地となった。その他に浅間山登山のジオツアーも実施された。2015年度はジオツアーを5回催行した。親子でジオパーク構想に親しんでもらうツアーや、長野原町の文化財や地域資源を探索するツアーを開催した。2016年度も同様にモニターツアーを実施しつつ、ジオサイトでヨガをするジオヨガイベントのような特徴的な取り組みも実施してきた。

 持続的な地域経済の発展を目指し、ジオツーリズム事業を展開してきたが、課題も残されている。従来までのジオツアーは、単発のイベントとして募集していた。また、ジオツアーのためのモデルコースについても、テーマやジオストーリーの視点に基づいて構築していく必要がある。さらには、ジオツアー時に案内をするジオガイドの質の向上を図ることも課題である。今後は、年間を通して多様なジオツアーを定期的に実施し、その広報活動も強化していく。さらには、テーマやストーリーに基づいたモデルコースを作り、ガイドブックやホームページで公開していく必要がある。

 ガイドの養成についても、ガイド自身で案内用のガイドテキストを作るという活動を通して知識を深めている。今後は、体系化されたガイド養成講座なども検討し、質の高いジオガイドを育成していく。それとともに、ジオツーリズムによる持続的な経済発展を目指すにあたっては、ジオツアー参加者に、地域内消費を促す仕掛けも必要である。ジオパークブランドの向上を図っていき、ジオグルメやジオパーク関連商品の開発もより一層推進していく。