JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

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[O-06] [JJ] 日本のジオパーク-しくじりから見えてくるジオパークの理想像-

2017年5月20日(土) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)

[O06-P24] 関西学院大学 総合政策学部 白山麓実習の活動報告
-白山手取川ジオパークの政策的役割を支援する-

*野畠 章吾1芳田 彩希2辻 伽名子2前田 和輝2垣内 稍圭2日比野 剛3,4 (1.関西学院大学総合政策学部 非常勤講師、2.関西学院大学総合政策学部、3.白山市観光文化部ジオパーク推進室、4.白山手取川ジオパーク推進協議会事務局)

キーワード:白山手取川ジオパーク、総合政策学部、実習

ジオパーク本来の目的は、地質遺産の保全、これを用いた教育や観光等の推進であるが、白山手取川ジオパークでは白山市全域を指定することにより、1市2町5村の合併のシンボルという政策的役割も担っている。
我々、関西学院大学 総合政策学部 白山麓実習チームは、2012年と2013年、山麓部のジオサイトに市内全域から小学生を招きワークショップを開催、以前の自治体の境を越えて小学生同士が融和する機会創出に取り組んだ。小学生は豪雪地帯の暮らしを今に伝える白峰地区、白山の自然を学ぶ中宮展示館等を見学し、協力してジオパークのポスターや壁新聞を作製した。一方、幅広い年代の市民の一体感はどのように醸成すべきか課題が残った。ここで実習チームは、同ジオパークのテーマとなっている「いのちを育む水の旅」に着目した。白山の雪解水が、手取峡谷から市内平野部を流れ、日本海に注ぐ。そして再び雪となって白山に帰って来る。一つの「水の旅」が全ての市民の生活を支えていることから、これが市民の一体感を醸成する重要なカギになると考えたからである。2014年、過疎が進む山麓の活性化という目的を兼ねて生活用水を使ったマイクロ水力発電を提案、続く2015年には発電機作り(材料はペットボトルと廃木材)を学ぶ小学生向けの環境教育イベントを企画、この発電機を用いてライトアップイベントを実施した。光で浮かび上がるモニュメントは、白山市民が“同じ”「いのちを育む水の旅」の恩恵を受けていることを表現するもので、300人を超える来場者に見せることが出来た。2016年は白山市観光文化部ジオパーク推進室の担当者、イベント開催地区の住民代表者、実習チームの学生が会し、前年の振り返りを行うとともに、2017年の活動計画について話し合った。今年2017年は、20年前に使用されなくなった水車を修復、発電を含めた水車小屋の活用を通し、改めて「水の旅」の恩恵を啓発する予定である。
本ポスターでは、ジオパークの政策的な役割に関し、政策系の学部に所属する学生がどのような観点から支援することが出来るのか、白山麓実習の活動報告を中心に発表する。