[O06-P32] ジオツアーづくりにおける多分野の連携:霧島ジオツアー「水の旅」
キーワード:ジオツーリズム、教育、協働
多様な分野の人や団体が地球科学をベースに連携し互いに学び合いながら新たな気づきを得ることは、ジオパーク活動の醍醐味のひとつである。2016年夏に行われた公益社団法人霧島市観光協会主催「水の旅」ジオツアーは、まさにそのような実践の場となった。このツアーは霧島山に降る豊かな天水が地表や地下を流れていく過程で麓に暮らす人々の生活にどのように関わっているかを参加者とともに探るものであったが、霧島ジオガイドに加えて鹿児島県立霧島高校総合学科観光ビジネス系列の生徒が当日のガイドおよびスタッフ役を務めた。ツアーの企画運営とテーマの着想は観光協会が、教育的観点からの高校生の指導は高校が、準備段階での高校生への現地レクチャはジオパーク事務局がそれぞれ担当し、互いにコミュニケーションを深めながらツアーづくりを行った。催行の結果、参加者から高い評価を得ただけでなく、ツアーに関わったメンバー一人ひとりが充実感を持ち、協働の価値を再認識することができた。また、高校生がツアー主催者側の立場を主体的に体験することは、持続可能な地域発展のための担い手の育成にもつながると考えられる。