JpGU-AGU Joint Meeting 2017

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[O-06] [JJ] 日本のジオパーク-しくじりから見えてくるジオパークの理想像-

2017年5月20日(土) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)

[O06-P34] 桜島錦江湾ジオパーク防災ゲーム「クロスロード(桜島火山対策編)」の作成について

*古殿 紀章1 (1.桜島・錦江湾ジオパーク推進協議会)

キーワード:ジオパーク、桜島、火山防災、防災ゲーム

桜島・錦江湾ジオパークは、100万年ほど前から巨大噴火を繰り返してきた活発な火山地域であり、噴火活動を続ける活火山・桜島や、火山活動が生み出した深く豊かな海・錦江湾といった雄大な自然景観を有している。

 また、60年以上活発に噴火活動を続ける桜島の約4km先には、人口60万人を超す都市が広がっており、世界的に稀有な活火山と都市との共生が実現している。

 火山活動が地形や自然、人々の生活や文化等に大きな影響を与え、深くつながっていることから、「火山と人と自然のつながり」をメインテーマとするジオパークである。

 桜島では、有史以降、天平宝字噴火(764~766年)、文明噴火(1471~1476年)、安永噴火(1779~1782年)、大正噴火(1914~1915年)の4回の大規模噴火が発生しており、今日まで人々は火山災害を乗り越え、火山と共に暮らしてきた。

 近年、桜島にマグマを供給している姶良カルデラ下のマグマだまりには約100年前に発生した大正噴火で噴出したマグマの約9割が回復していると言われており、今後、大正噴火級の大規模噴火が発生すると言われている。

 さらに、大正噴火の発生から約8時間後には、鹿児島市街地側で震度6弱の地震が発生していることから、地震への備えも必要となっている。

 このようなことから、住民に火山災害の知識や防災対策について啓発を行い、災害について自分で考え、行動できる力を養うことことができる防災ゲームを作成する。

 作成するものは、住民が幅広く参加できて、楽しく考えて、学べる、「クロスロードゲーム」の作成を行った。

 クロスロードゲームは、阪神・淡路大震災で、災害対応にあたった神戸市職員へのインタビューをもとに作成されたカードゲーム形式の防災教材である。

 ゲームは、進行役が1人と5人又は7人のプレイヤーで構成されるグループで行う。1人の進行役と複数のグループで実施することも可能である。

 進行役は、「プレイヤーの役」、「災害時に向き合うこととなる問題」、「問題に対する二択の行動」を出題する。プレイヤーはその問題に対する自分の行動をYESかNOで選択し、フィールドに伏せて出す。進行役の合図でプレイヤー全員が自分の行動をフィールドに出す。場に出された行動で少数派(5人グループは1人、7人グループは2人以下)のプレイヤーは賞品を貰うことができる。

 なぜ、少数派が商品を貰うことができるのか。このクロスロードは、「災害時に他人が見のがしていることが重要かもしれない。」という精神をルール化したものである。

 問題作成にあたっては、鹿児島市の地域防災計画や噴火警戒レベル4へ引上げられた際の対応、毎年実施している桜島火山爆発総合防災訓練などを踏まえ、鹿児島市の防災関係部署等で作成した問題を、地域まちづくり団体と話し合いながら作成した。

 当該、防災ゲームは、3月16日に桜島・錦江湾ジオパークのジオ講座で実施し、今後は、鹿児島市で実施している市民向けの出前講座や防災訓練等で実施することとしている。

 ジオパークの枠組みで、住民が自分の住んでいる地域のジオハザードを知り、それに対してどう対応しなければならないのか、また、どのような備えが必要なのかを学び、広く伝えられる取組としたいと考えている。