JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EJ] 口頭発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM20] [EJ] Heliosphere and Interplanetary Space

2017年5月24日(水) 10:45 〜 12:15 A02 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:坪内 健(東京工業大学理学院)、西野 真木(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、成行 泰裕(富山大学人間発達科学部)、座長:坪内 健(東京工業大学理学院)、座長:大塚 史子(九州大学)

11:30 〜 11:45

[PEM20-04] 太陽電波ゼブラパターンにおける縞構造の時間変動

*金田 和鷹1三澤 浩昭1岩井 一正2増田 智3土屋 史紀1小原 隆博1加藤 雄人4 (1.東北大学大学院理学研究科惑星プラズマ・大気研究センター、2.情報通信研究機構、3.名古屋大学宇宙地球環境研究所、4.東北大学大学院理学研究科)

キーワード:太陽コロナ、電波バースト、AMATERAS

フレアに伴って放射される太陽電波IV型バーストには、多様なスペクトル微細構造が存在することが知られている。ゼブラパターン(ZP)は、IV型バーストの広帯域放射を背景に、多数の狭帯域放射が周波数方向にならんだ縞模様状のスペクトルを示す微細構造の一種である。ZPの縞構造の解釈として多くのモデルが提唱されているが、全ての観測的特徴を説明できるようなモデルは報告されていない。Tan et al. (2014)は、マイクロ波帯のZPについての統計調査を行い、縞の周波数間隔(Δf)が放射周波数に対してどのように変化するかによってZPを3種類に分類し、それぞれが異なる放射機構で生成されている可能性を示した。このように、Δf はZPの発生機構を理解する上で重要であるが、その時間変化については研究されていない。そこで本研究では、Δfの時間変動を明らかにするため、東北大学所有の太陽電波観測システムAMATERASにより取得された高分解スペクトルデータの解析を行った。2010年7月~2016年7月の期間に観測された21例のZPについて解析した結果、Tan et al. (2014)の報告と同様に、放射周波数に対するΔfの変化のパターン(等間隔、放射周波数とともに増加、不規則変化)が3種類確認された。しかし、それらの変化のパターンはZPの継続時間を通して常に一定ではなく、時間によって様々な変動のパターンを示すことがわかった。本講演では、観測されたΔfの変動の詳細を示すとともに、想定される変動要因について考察する。