12:00 〜 12:15
[PEM20-06] 月周回衛星かぐやによって観測された1-12Hzの霧状の磁場変動について
キーワード:かぐや、ELF磁場変動、昼夜境界、太陽風、月、MAP/LMAG
月面及び月固有磁場と太陽風との相互作用によって、月周辺には様々な磁場変動が生じていることがかぐや衛星をはじめとする近年の月探査衛星によって次々と明らかにされてきた。本研究では、1-12Hzの下部ELFの周波数帯に、ダイナミックスペクトル上で霧状にみえる磁場変動を発見したのでその特徴及び発生特性について報告する。
この磁場変動は2008年6月14日20:40から21:00にかけて、月の北極付近で検出された。周波数域は1-12Hzと広く、明確なピーク周波数はなくdiffuseである。時間的にも、明確な開始・終了ではなく、ぼんやりと始まり徐々に消えていくため、ダイナミックスペクトル上では霧のように広がって見える。沿磁力線電子流の有無や磁力線の月面とのつながりの有無やによって強さが切り替わる広帯域ホイスラとはこの点が異なっている。
同様な霧状の磁場変動を、かぐや搭載磁力計LMAGによって2008年1月1日から2009年3月31日までの間に観測された32Hzサンプリング磁場データ中から探したところ、全8例見つかった。周波数幅は4Hzないし15Hzと広く、これらは月が太陽風中にあるときに検出された。8例中5例は月の昼側で観測され、検出位置は北極と南極に集中していた。なお、かぐやは極軌道衛星のため、限られた時期を除いては、昼夜境界を通るのは極域に限定される。8例中6例は北半球で検出された。
また8例中4例で周波数が時間とともに下がっていた。この4例とも、衛星が極に近づくにつれて周波数が下がっているように見えた。霧状の磁場変動が観測された時の太陽風条件は、速度は平均的だったが、密度は平均よりも高い値であり、太陽風速度と密度の積の大きい時に強度が強い傾向が見られた。
この磁場変動の発生原因は未解明であるが、昼側での検出が多いこと、太陽風のフラックスと関係があること、固有磁場の弱い領域で発生が多いことから、太陽風粒子による月面のスパッタリングとの関係が考えられる。
この磁場変動は2008年6月14日20:40から21:00にかけて、月の北極付近で検出された。周波数域は1-12Hzと広く、明確なピーク周波数はなくdiffuseである。時間的にも、明確な開始・終了ではなく、ぼんやりと始まり徐々に消えていくため、ダイナミックスペクトル上では霧のように広がって見える。沿磁力線電子流の有無や磁力線の月面とのつながりの有無やによって強さが切り替わる広帯域ホイスラとはこの点が異なっている。
同様な霧状の磁場変動を、かぐや搭載磁力計LMAGによって2008年1月1日から2009年3月31日までの間に観測された32Hzサンプリング磁場データ中から探したところ、全8例見つかった。周波数幅は4Hzないし15Hzと広く、これらは月が太陽風中にあるときに検出された。8例中5例は月の昼側で観測され、検出位置は北極と南極に集中していた。なお、かぐやは極軌道衛星のため、限られた時期を除いては、昼夜境界を通るのは極域に限定される。8例中6例は北半球で検出された。
また8例中4例で周波数が時間とともに下がっていた。この4例とも、衛星が極に近づくにつれて周波数が下がっているように見えた。霧状の磁場変動が観測された時の太陽風条件は、速度は平均的だったが、密度は平均よりも高い値であり、太陽風速度と密度の積の大きい時に強度が強い傾向が見られた。
この磁場変動の発生原因は未解明であるが、昼側での検出が多いこと、太陽風のフラックスと関係があること、固有磁場の弱い領域で発生が多いことから、太陽風粒子による月面のスパッタリングとの関係が考えられる。