JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EJ] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM20] [EJ] Heliosphere and Interplanetary Space

2017年5月24日(水) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:坪内 健(東京工業大学理学院)、西野 真木(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、成行 泰裕(富山大学人間発達科学部)

[PEM20-P06] かぐやが観測した磁場と月面の磁場を3D表示するソフトの開発

高寺 寿門1、*中川 朋子1綱川 秀夫2 (1.東北工業大学工学部情報通信工学科、2.東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻)

キーワード:かぐや、磁場観測装置、3次元表示、固有磁場、磁気異常、太陽風

かぐや衛星によって月周回軌道上で観測される多様な磁場変動は、太陽風と月面及び月の固有磁場との相互作用を反映している。それぞれの変動の発生メカニズムの解明には、月に対する衛星の位置だけでなく、衛星と月面間の磁力線のつながりや固有磁場との位置関係を考慮する必要があるが、太陽風、月面、太陽風磁場、月固有磁場の位置関係を2元的な表示で把握するのは困難である。そのため、これらを3次元的に表示し、見やすい角度から吟味できる表示ソフトウェアを開発した。

本ソフトウェアで表示するデータは、衛星かぐやに搭載された月磁場観測装置LMAGで観測された磁場3成分の1秒平均値、およびかぐやの月磁場観測に基づいてSVM法によって得られた高度0kmおよび月面上空30kmの月面上磁場である。月面上空0kmは60.6km間隔、月面上空30kmは151.6km間隔で推定したデータを使用する。ソフトウェア開発では3次元コンピュータグラフィックスのためのライブラリOpenGLを使用する。開発環境はMicrosoft Visual studio 2013で、言語はC言語を使用し、動作環境はOS:Winsows 8 64 bit、CPU:Intel Core i5である。

本ソフトウェアによって、かぐやの位置における磁場ベクトルとともに月面の磁場を3次元的に表示し、かぐやが観測したデータが月面の磁場の影響を受けているかどうかを把握することが容易になった。月面の磁場は色による強度表示のほか、ベクトルによる表示も選べるようにした。ユーザが入力した日付と時刻からデータを読み続けることによって月周回のアニメーションの再生や一時停止も可能であり、視点を自由に移動させることでイベントごとに見やすい方向からの画像を得ることが可能となった。