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[PEM21-08] 定常ペチェックリコネクションから動的ペチェックリコネクションへの遷移に関するシミュレーション研究
キーワード:magnetic reconnection, Petschek reconnection, simulation, slow shock
磁気リコネクションは磁気エネルギーを熱、運動エネルギーに変換する過程である。しかし、古典的な定常リコネクションモデル(Sweet-Parkerモデル)では、太陽コロナで観測された高速リコネクションを説明することができない。定常的なペチェックモデルリコネクションは高速リコネクションを説明することはできるが、電流シート中に異常抵抗を局在化させる必要があることが指摘されている。一方、抵抗が空間的に一様な場合、薄い電流層の不安定性によっていわゆるプラズモイドリコネクションが生じることで、リコネクションが高速化する。近年、Shibayama et al. (2015)は、一様抵抗におけるプラズモイドリコネクションが、スローショックを伴った新しいタイプの高速リコネクションとして現れることを見出し、「動的ペチェックリコネクション」と呼んだ。我々は、空間的に局在化した異常抵抗の大きさに対するリコネクションの依存性に着目し、定常ペチェックリコネクションから動的ペチェックリコネクションへの遷移を調べる目的で、二次元MHDシミュレーションを行った。その結果、定常ペチェックリコネクションと動的ペチェックリコネクションの間に、振動するペチェックタイプの新たなリコネクション解があることを見出した。本研究ではその振動場を電流層に対する対称性から二つの異なるパリティ成分に分離することで、振動するペチェックリコネクションの磁場構造を解析し、定常ペチェックリコネクションから動的ペチェックリコネクションへの解構造の包括的な理解を試みる。