[PEM21-P06] 極域電離圏飛翔体周辺のプラズマじょう乱に関する粒子シミュレーション
キーワード:極域電離圏プラズマ、観測ロケット、衛星帯電、ウェイク、プラズマ粒子シミュレーション
本発表では、神戸大学とノルウェー・オスロ大学の連携により進められている、極域飛翔体-電離圏プラズマ相互作用の数値シミュレーション研究について報告する。極域電離圏カスプ領域では、様々な空間スケールをもつプラズマ密度の疎密構造(イレギュラリティ)が形成されることが知られる。ノルウェーでは当該現象の本質的な解明のため、ICIキャンペーンと呼ばれる一連のロケット実験を実施してきた。しかし飛翔体周辺に生じるウェイクやシースといったプラズマじょう乱が飛翔体による「その場」観測に及ぼす影響は、十分に理解されているとはいいがたい。本研究では、衛星プラズマ相互作用の数値解析で実績のある3次元のプラズマ粒子シミュレーション手法を当該課題に適用し、観測ロケットや低軌道衛星周辺のプラズマ環境じょう乱の発生メカニズムを解明することを目標とする。
これまでに①ロケット表面帯電の磁力線方向とスピン軸のなす角に対する依存性や、②電離圏プラズマ電子の磁化に起因するロケット/衛星ウェイク構造の非対称性、を確認するとともに、それに関連した飛翔体周辺での電子ダイナミクスに関して新たな知見を得た。特に衛星近傍では、シース電場と背景磁場で決定されるE×Bドリフトの他に、シース内の密度勾配に起因する反磁性効果に基づく環状電流が存在する可能性が示唆された。現在は、衛星電位やウェイク周辺領域の空間電位に見られる固有振動と、プラズマ波動モードの関連を解明するための調査を開始しており、その初期結果も報告する。
これまでに①ロケット表面帯電の磁力線方向とスピン軸のなす角に対する依存性や、②電離圏プラズマ電子の磁化に起因するロケット/衛星ウェイク構造の非対称性、を確認するとともに、それに関連した飛翔体周辺での電子ダイナミクスに関して新たな知見を得た。特に衛星近傍では、シース電場と背景磁場で決定されるE×Bドリフトの他に、シース内の密度勾配に起因する反磁性効果に基づく環状電流が存在する可能性が示唆された。現在は、衛星電位やウェイク周辺領域の空間電位に見られる固有振動と、プラズマ波動モードの関連を解明するための調査を開始しており、その初期結果も報告する。