JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM21] [JJ] 宇宙プラズマ理論・シミュレーション

2017年5月25日(木) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:梅田 隆行(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)、成行 泰裕(富山大学人間発達科学部)、三宅 洋平(神戸大学計算科学教育センター)、中村 匡(福井県立大学)

[PEM21-P07] プラズマ波動電界による人工衛星電位変動現象の数値モデリング

*三宅 洋平1桐山 武士3加藤 雄人2臼井 英之3 (1.神戸大学計算科学教育センター、2.東北大学大学院理学研究科、3.神戸大学大学院システム情報学研究科)

キーワード:プラズマ波動、衛星帯電、波動電界、コーラス波動、光電子放出、プラズマ粒子シミュレーション

本研究では、プラズマ波動の時間変動電界中の人工衛星電位変動現象をプラズマ粒子シミュレーションにより再現する。バンアレンプローブによる最近の観測ではコーラス波動の検出と同時刻に衛星電位の変動が確認されており[e.g., Malaspina et al., 2014]、波動電界による光電子放出電流の変動が原因と予想されている。これまでに本現象の波動周波数や背景磁場強度に対する依存性がチャンバー実験により調査されている[Wang et al., 2014a; 2014b]が、同時に波動の偏波や衛星形状による影響など理解が十分でない点も指摘されている。また衛星電位の計測は、衛星筐体とプローブ間の電位差を測ることにより行われるため、本現象を正しく理解するためには、衛星筐体とプローブ電位それぞれの波動電界に対する応答(の違い)を考慮する必要がある。

本発表では、これらの問題に関して、プラズマ粒子シミュレーションを用いた数値研究経過を報告する。ここで対象とするVLF波動の典型的な波長スケールは衛星サイズより十分に大きい。したがって波動電界は空間的に一様な交番電界であるとして、シミュレーション空間中に印加した。この計算モデルにより、右回り円偏波を持つ波動電界に対して、光電子電流の変調とそれに起因する衛星電位変動を再現することに成功した。また高周波シースの理論[Boehm et al., 1994]を応用する形で、本現象の理論的なモデル化も開始している。初期結果として、波動電界強度が200 mV/m以下のシミュレーション結果を良く説明できる定式化を得た。