JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM22] [JJ] 大気圏・電離圏

2017年5月25日(木) 13:45 〜 15:15 A02 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:大塚 雄一(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、津川 卓也(情報通信研究機構)、川村 誠治(国立研究開発法人 情報通信研究機構)、座長:西岡 未知((独)情報通信研究機構)、座長:大矢 浩代(千葉大学大学院工学研究科)

14:00 〜 14:15

[PEM22-08] 日本上空の3次元電離圏トモグラフィー解析の機能向上

*水野 遼1山本 衛1斎藤 享3齊藤 昭則2 (1.京都大学生存圏研究所、2.京都大学大学院理学研究科地球科学専攻地球物理学教室、3.電子航法研究所航法システム領域)

電離圏電子分布のリアルタイム情報は,衛星航法における計測誤差の補正や電離層擾乱観測に基づく津波警報システム等に必要とされている.GEONETを用いた電離層の2次元TEC変動分布は,以前より電子航法研究所によりリアルタイム解析が行なわれている.その一方で,電離圏の3次元分布については2016年の4月にリアルタイム解析が開始された.本研究では,電離圏の3次元トモグラフィー解析について,より実用的な改良を目的として、過去の観測データの一括解析と解析結果表示の自由度の拡張に取りくんでいる.
まず,過去の観測データの一括解析について述べる.電離圏の3次元分布のリアルタイム解析は2016年の4月に開始された.しかしながら、リアルタイム解析開始以前のデータに関しては解析が行なわれていない.本研究は,この過去の観測データを大型計算機によって一括解析し一般公開する.現在,2009年以降の観測データは解析が可能となっている。京都大学の大型計算機による並列処理によって、数時間分の観測データを30分程度で解析することが可能であることが確かめられたため、一括解析を進める。さらにGEONET観測データが存在する1996年まで順次さかのぼった大量データの解析を進めていく。次に,解析結果表示の自由度の拡張について述べる.現在の3次元リアルタイム解析の解析結果は特定断面での表示しかできない.そこで本研究は,任意の2地点を結ぶ線分上での垂直に切った断面図で,解析結果を表示するシステムを開発した.またこれに加え,解析を行った位置を明確にするために日本地図上に解析結果を表示させるシステムも開発した.今後,この開発した新たな表示方法の解析結果もweb上で一般公開する予定である.