14:30 〜 14:45
[PEM22-10] 北米のGPS-TECを用いた電離圏擾乱の微細構造に関する研究
キーワード:電離圏、総電子数、GPS、ROTI
北米には約2700基の2周波GPS受信機が設置されている。これらのGPS受信機は、GPS 衛星から送信される二つの周波数の電波を受信し、30 秒おきに搬送波位相と擬似距離のデータを記録している。GPS 電波は、電離圏中の電子によって位相速度の進みと群速度の遅延が生じるため、搬送波位相と疑似距離を解析することによって衛星と受信機の間にある全電子数(Total Electron Content; TEC) を測定することができる。
電離圏中に生じる電子密度の擾乱を調べるため、TEC の30 秒ごとの差分であるROT (Rate of TEC change) を計算し、ROT の5 分間の標準偏差であるROTI (Rate Of TEC change Index) を調べた。北米にあるすべての受信機と衛星によって得られたデータから、北米全体のROTI の水平二次元分布図を得ることができる。それぞれの衛星-受信機間で得られたROTI を水平二次元図に投影する際、上空300km に電離層があると仮定した。空間分解能は緯度経度0.75 度である。
2015年3月17日に発生した磁気嵐は、05 UTごろに始まり、Dst指数は23 UTに最小の-223 nTとなった。09:00-11:00 UTと21:00-24:00 UTにおいて、ROTI増大領域の拡大が観測された。09-11 UTにおけるROTI増大領域はDMSP衛星によって観測されたオーロラ粒子の降りこみ領域とほぼ一致した。また、21-24 UTにおける絶対値TECの水平二次元分布図ではSED (Storm Enhanced Density)がみられ、SEDの構造内部およびその極域でROTIが増大していることがわかった。
09:00-10:30 UTと13:00 UT-15:30 UTごろ、経度方向に約150kmスケールをもつROTI増大領域の微細構造が経線方向に伸びる様子が見られた。この構造は、オーロラ粒子の降りこみによるROTI増大領域の赤道側に現れ、緯度40度から50度の領域で見られた。Christmas valley(43.27 N, -120.36 E)に設置されたHFレーダーのビームごとのデータに最小二乗法を適用し、3月17日におけるプラズマドリフト速度を東西方向と南北方向に分けて算出した。その結果、09:00-11:00 UTと12:00-14:00 UTにおいて東向きのプラズマ速度増加が観測され、速度は約500m/sであった。プラズマの東向きドラフトが観測された時間帯とROTI増大領域の微細構造の発展がほぼ同時であったため、本研究ではこれらの関連性を考察する。
電離圏中に生じる電子密度の擾乱を調べるため、TEC の30 秒ごとの差分であるROT (Rate of TEC change) を計算し、ROT の5 分間の標準偏差であるROTI (Rate Of TEC change Index) を調べた。北米にあるすべての受信機と衛星によって得られたデータから、北米全体のROTI の水平二次元分布図を得ることができる。それぞれの衛星-受信機間で得られたROTI を水平二次元図に投影する際、上空300km に電離層があると仮定した。空間分解能は緯度経度0.75 度である。
2015年3月17日に発生した磁気嵐は、05 UTごろに始まり、Dst指数は23 UTに最小の-223 nTとなった。09:00-11:00 UTと21:00-24:00 UTにおいて、ROTI増大領域の拡大が観測された。09-11 UTにおけるROTI増大領域はDMSP衛星によって観測されたオーロラ粒子の降りこみ領域とほぼ一致した。また、21-24 UTにおける絶対値TECの水平二次元分布図ではSED (Storm Enhanced Density)がみられ、SEDの構造内部およびその極域でROTIが増大していることがわかった。
09:00-10:30 UTと13:00 UT-15:30 UTごろ、経度方向に約150kmスケールをもつROTI増大領域の微細構造が経線方向に伸びる様子が見られた。この構造は、オーロラ粒子の降りこみによるROTI増大領域の赤道側に現れ、緯度40度から50度の領域で見られた。Christmas valley(43.27 N, -120.36 E)に設置されたHFレーダーのビームごとのデータに最小二乗法を適用し、3月17日におけるプラズマドリフト速度を東西方向と南北方向に分けて算出した。その結果、09:00-11:00 UTと12:00-14:00 UTにおいて東向きのプラズマ速度増加が観測され、速度は約500m/sであった。プラズマの東向きドラフトが観測された時間帯とROTI増大領域の微細構造の発展がほぼ同時であったため、本研究ではこれらの関連性を考察する。