JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EE] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS02] [EE] Small Bodies: Exploration of the Asteroid Belt and the Solar System at Large

2017年5月22日(月) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:eleonora ammannito(University of California Los Angeles)、中本 泰史(東京工業大学)、安部 正真(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)、Christopher T Russell(University of California Los Angeles)、渡邊 誠一郎(名古屋大学大学院環境学研究科地球環境科学専攻)

[PPS02-P27] Present status of curation of the Hayabusa-returned samples and development of the Hayabusa2 curation facility

*矢田 達1安部 正真1岡田 達明1吉武 美和1坂本 佳奈子1松本 徹1中埜 夕希1川崎 教行1西村 征洋4熊谷 和也1松井 重雄1圦本 尚義2,1藤本 正樹1,3 (1.宇宙航空研究開発機構、2.北海道大学、3.東京工業大学、4.マリン・ワーク・ジャパン)

キーワード:asteroid, sample return, curation, Hayabusa, Hayabusa2

はやぶさ帰還試料は2010年に小惑星イトカワから帰還した、唯一の小惑星レゴリス試料である(Abe et al., 2011)。初期分析で鉱物学・岩石学・化学・酸素同位体組成的に見てそれらは平衡LLコンドライトと同等であることが分かっている(Nakamura et al., 2011; Ebihara et al., 2011; Yurimoto et al., 2011)。JAXA地球外物質研究グループでは、大気遮断環境でのFE-SEM/EDSによる、それら試料の初期記載、それらの高純度窒素環境での保管、国際公募研究による世界中の研究者への試料配付を進めている(Yada et al., 2014)。これまでに700個以上の粒子初期記載を行い、80%以上がイトカワ起源粒子だった。160個以上の粒子を4回の国際公募研究において配布している。最新の国際公募研究は2016年に行われ、6個の研究テーマが配布対象として選ばれている。
一方、はやぶさ2は現在、目標天体である近地球型C型小惑星リュウグウ(前名称1999JU3)に向かっており、2018年には到着し、表面にタッチダウンして試料採集を行う予定である(Yoshikawa et al., 2015)。その捕獲試料は2020年に地球に帰還する予定である。はやぶさ2プロジェクト、仕様検討委員会、専門委員会の指導の下、地球外物質研究グループではその帰還試料の受入設備の準備を進めている。はやぶさ帰還試料をとりあつかっているクリーンチェンバーが設置されているクリーンルームの隣に、新たにクリーンルームを建設する予定である。そのクリーンルームにはやぶさ2試料受入用のクリーンチェンバーを設置する予定である。炭素質コンドライトと関係があると考えられるC型小惑星リュウグウの帰還試料に含まれるかも知れない揮発性物質・有機物質に対する地球起源窒素の汚染を避ける為に、そのクリーンチェンバーにおいて、試料の一部を真空中で回収される予定である。残りの試料は、はやぶさ帰還試料と同様に高純度窒素環境で取り扱う。mmサイズの資料を取り扱う為に、µmサイズ試料を扱うチェンガートは異なった形状のチェンバーを準備する予定である。新しいクリーンルームの建設は今年中に始まり、最終的にクリーンチェンバーは2018年半ばに完成する。施設設備の完成後、機能・性能確認後、2020年の試料帰還に向けて試料受入のリハーサルが行われる予定である。