[PPS07-P03] 月画像解析によるクレーター光条線長さの計測
Zモデルとの比較
キーワード:光条線、エジェクタ、かぐや
クレーターの直径から得られる衝突天体にかかわる情報は速度、密度、半径が一体となった結合変数Cという形以上に分解することができない(Holsapple and Schmidt, 1987)。当研究ではクレーター放出物(光条線エジェクタとcontinuous ejecta)の空間的広がりから衝突天体が持っていたと予測できるパラメーターを制限するのが可能であるかを検証するため、これらを定量化することを考える。
今回は月探査衛星「かぐや」のMIによって得られた画像を解析した。サンプルとして嵐の大洋上のKeplerの南西の領域に存在する直径1km程度の小規模なクレーター13個を用いた。まず、エジェクタ飛散モデルであるZモデルから算出されるエジェクタ厚さと比較できる領域を考察するためにMI画像において任意の反射率閾値以上の領域を抽出し、領域形状の円形度を測定した。図は横軸が領域の等価円直径をクレーター直径で規格化したもの、横軸が円形度である。反射率閾値を低いものから高いものに変化させるにつれ、領域形状の円形度は上昇の傾向を示し、クレーター直径の4倍程度を境にしてその傾きが変化している。この結果からおよそ4クレーター直径以内のエジェクタは中心対称であり、Zモデルの結果が適用できると考える。
前述の結果からZモデルを適用するのが相応ではないと判断された約4クレーター直径以遠の領域では、光条線領域に降着したエジェクタは等方的に放出されたエジェクタが、その飛行中に非弾性衝突をすることにより、ある方向にのみ空間密度が卓越した結果のものであると仮定した(Kadono et al., 2015)。つまり、隣り合う光条線は、その間の方向に放出されたエジェクタを分け合ったと考えた。この仮定の下で、各光条線の角度間隔と光条線の幅を用いてZモデルから予想される各光条線におけるエジェクタの量を計算し、クレーター直径との関係について議論する。
今回は月探査衛星「かぐや」のMIによって得られた画像を解析した。サンプルとして嵐の大洋上のKeplerの南西の領域に存在する直径1km程度の小規模なクレーター13個を用いた。まず、エジェクタ飛散モデルであるZモデルから算出されるエジェクタ厚さと比較できる領域を考察するためにMI画像において任意の反射率閾値以上の領域を抽出し、領域形状の円形度を測定した。図は横軸が領域の等価円直径をクレーター直径で規格化したもの、横軸が円形度である。反射率閾値を低いものから高いものに変化させるにつれ、領域形状の円形度は上昇の傾向を示し、クレーター直径の4倍程度を境にしてその傾きが変化している。この結果からおよそ4クレーター直径以内のエジェクタは中心対称であり、Zモデルの結果が適用できると考える。
前述の結果からZモデルを適用するのが相応ではないと判断された約4クレーター直径以遠の領域では、光条線領域に降着したエジェクタは等方的に放出されたエジェクタが、その飛行中に非弾性衝突をすることにより、ある方向にのみ空間密度が卓越した結果のものであると仮定した(Kadono et al., 2015)。つまり、隣り合う光条線は、その間の方向に放出されたエジェクタを分け合ったと考えた。この仮定の下で、各光条線の角度間隔と光条線の幅を用いてZモデルから予想される各光条線におけるエジェクタの量を計算し、クレーター直径との関係について議論する。