JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS07] [JJ] 惑星科学

2017年5月25日(木) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:鎌田 俊一(北海道大学 創成研究機構)、岡本 尚也(千葉工業大学惑星探査研究センター)

[PPS07-P13] 巨大微惑星の潮汐破壊による巨大惑星リングの形成

*兵頭 龍樹1,2,3Charnoz Sebastien2大槻 圭史3玄田 英典1 (1.東京工業大学 地球生命研究所、2.Institut de Physique du Globe de Paris、3.神戸大学大学院理学研究科)

キーワード:リング、衛星、巨大惑星

土星などの巨大惑星周りには多様なリング(輪)が存在する。土星リングはその質量の95%以上が水氷から形成されているが、天王星や海王星のリングは岩石成分も多く含まれると考えられている。しかし、このように多様なリングの形成起源は長らく明らかになっていない。

一方、近年の惑星形成モデルにおいて約38億年前に起こったとされる後期重爆撃期に海王星以遠の微惑星円盤には少なくとも1000-3000個の冥王星サイズの巨大な微惑星が存在していた可能性が明らかになった。そして、このような巨大微惑星は後期重爆撃期に巨大惑星と複数回の近接遭遇を経験することが明らかになった。

本研究では、まずSPH計算を用いる事で、分化した冥王星サイズの微惑星と巨大惑星の近接遭遇時に微惑星が潮汐破壊され、破片が惑星に重力的に捕獲される過程を詳細に調べ上げた。その結果、現在のリングの質量を十分に説明できる質量が捕獲されうることが明らかになった。しかし、捕獲直後の破片サイズは数キロメートルと観測されるサイズと比べて非常に大きい。また、捕獲直後の破片の軌道は非常に楕円軌道であった。

そこで、次に我々は、惑星の扁平を考慮したN体計算を用いて破片の長期的な軌道進化を調べた。その結果、長期的な進化において破片は歳差運動をすることで軌道方向がランダムに分布し、惑星赤道面に対称なトーラス構造を形成することが分かった。その後、破片は互いに高速衝突を経験し、破壊され、さらに衝突ダンピングで、惑星赤道面に落ち着いた円軌道で小さな粒子からなるリングになることが明らかになった。

さらに、土星は密度が天王星や海王星に比べて小さいことから、土星では近接遭遇してきた分化天体のマントル(氷)部分のみが破壊・捕獲される近接遭遇しか起こらないが、天王星や海王星では、マントルのみだけでなくコア(岩石)まで破壊・捕獲されることが明らかになった。ゆえに、本研究で示した巨大微惑星の潮汐破壊によるリングの形成モデルは、観測に矛盾しない多様なリングを形成しうるものである。

本研究は、Hyodo,R.,Charnoz,S.,Ohtsuki,K.,Genda,H. 2017,Icarus,282,195-213 に掲載されている。