JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS07] [JJ] 惑星科学

2017年5月25日(木) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:鎌田 俊一(北海道大学 創成研究機構)、岡本 尚也(千葉工業大学惑星探査研究センター)

[PPS07-P26] 酸性水溶液中に浸した岩石と紫外線による鉄イオンの増加

*小森 信男1 (1.東京都大田区立蒲田中学校)

キーワード:紫外線、鉄イオン、鉄カンラン石、玄武岩、酸性水溶液

火星探査機による調査により、43億年前程の火星には、大洋があったことが最近わかってきた。この大洋は、酸性だった可能性がある。この火星の海を前提条件として、火星の海に関する以下の2つのシュミレーション実験を行った。
実験1では、玄武岩による硫酸と塩酸の中和の際に、溶液中に溶け出る鉄イオンの濃度を調べた。その結果、0.3規定(pH1)の塩酸では0.03規定(pH2)の5倍程度の鉄イオンが溶け出ることがわかった。
 実験2では、精製水、塩酸、硫酸に浸した鉄カンラン石と、玄武岩に紫外線を照射した場合に溶液中に溶け出る鉄イオンの濃度を測定した。この結果、紫外線を照射した場合は照射しない場合よりも1.5倍程度、鉄イオンの濃度が大きくなることがわかった。
以上の実験により、過去の火星上では海が消滅するまでに、玄武岩等の岩石による酸の中和により大量の鉄イオンが溶け出た可能性がある。さらに太陽から降り注ぐ紫外線Cによって、溶け出る鉄イオンはより増えた可能性がある。