09:30 〜 09:45
[PPS08-03] 月面から放出される炭素、窒素、酸素の2次イオン
キーワード:月、二次イオン、質量分析
月は固有磁場や十分な大気が無いため、地球磁気圏滞在中以外は太陽風に常時さらされている。高いエネルギーを持つ太陽風イオンが月面に衝突すると二次イオンが放出されるが、この二次イオンの放出時のエネルギーはほとんどが数eV程度である。しかしながら、周囲の太陽風電場・磁場の影響を直ちに受けて、その向き次第ではピックアップイオンとして宇宙空間に飛び出す。
「かぐや」衛星搭載のMAP(Magnetic field and Plasma experiment)-PACE(Plasma energy Angle and Composition experiment):プラズマ計測器は月周辺で初めて月起源イオンの観測に成功し、質量分別まで行った。「かぐや」は日本の月探査衛星で高度約100kmにおいて2008年から2009年にかけておよそ1.5年間の観測を行った。
MAPはLMAG (Lunar MAGnetometer):磁力計とPACEで構成されている。MAP-LMAGは32Hzのサンプリング周期と0.1nTの精度で3次元の磁場計測を行っている。MAP-PACEは2台の電子分析器と2台のイオン分析器で構成されていて、イオン分析器はIEAとIMAからなっている。各分析器は半球の視野を確保していて、それぞれ2台ずつで全方向に対して視野を確保して3次元の速度分布関数を取得する。「かぐや」衛星は3軸制御の探査機であるため、IMAは常に月面を向き月方向から飛来するイオンの質量分析を行い、IEAは外宇宙から太陽風などの月に向かって飛来するイオンを計測する。IMAはこれまで少なくともHe+, C+、O+、Na+、K+、Ar+からなる月から飛来するイオンを観測していた。このような「かぐや」衛星によるイオン観測から月の二次イオンの放出量マップ作成が可能となった。
本発表では、特に分別が簡単な軽いイオン種、C+、N+、O+の2次イオン放出量マップの特徴を提示する。また、「かぐや」衛星の観測から、太陽風による2次イオン計測を使った小型天体表面物質の遠隔での観測に関して議論する。
「かぐや」衛星搭載のMAP(Magnetic field and Plasma experiment)-PACE(Plasma energy Angle and Composition experiment):プラズマ計測器は月周辺で初めて月起源イオンの観測に成功し、質量分別まで行った。「かぐや」は日本の月探査衛星で高度約100kmにおいて2008年から2009年にかけておよそ1.5年間の観測を行った。
MAPはLMAG (Lunar MAGnetometer):磁力計とPACEで構成されている。MAP-LMAGは32Hzのサンプリング周期と0.1nTの精度で3次元の磁場計測を行っている。MAP-PACEは2台の電子分析器と2台のイオン分析器で構成されていて、イオン分析器はIEAとIMAからなっている。各分析器は半球の視野を確保していて、それぞれ2台ずつで全方向に対して視野を確保して3次元の速度分布関数を取得する。「かぐや」衛星は3軸制御の探査機であるため、IMAは常に月面を向き月方向から飛来するイオンの質量分析を行い、IEAは外宇宙から太陽風などの月に向かって飛来するイオンを計測する。IMAはこれまで少なくともHe+, C+、O+、Na+、K+、Ar+からなる月から飛来するイオンを観測していた。このような「かぐや」衛星によるイオン観測から月の二次イオンの放出量マップ作成が可能となった。
本発表では、特に分別が簡単な軽いイオン種、C+、N+、O+の2次イオン放出量マップの特徴を提示する。また、「かぐや」衛星の観測から、太陽風による2次イオン計測を使った小型天体表面物質の遠隔での観測に関して議論する。