[PPS08-P01] 月と水星の比較惑星学、線状崖(Rupes)の形状と起源
キーワード:かぐや、LRO、MESSENGER、線状崖、ISIS、モザイク画像
月では表面画像、可視近赤外スペクトルなどの観測データの高度化が進んでいる。「かぐや」「LRO」などのデータが公開され、月の様々な科学研究に提供されている。水星では「MESSENGER」の8年におよぶ観測により大量の観測データが公表され水星研究が格段に発展してきている。「MESSENGER」は15年4月の観測終了までに約20万枚もの画像データを送ってきており、全球のモザイク画が作成されている。「Mariner-10」が1973-75年にフライバイして半球程度の画像を生成して以来の大きな成果である。「LRO」と「MESSENGER」の画像では2桁の差が空間分解能にあるが、水星表面の160m程度の空間分解能の画像が得られており、比較地形学を行えるような状況になってきている。火星と水星が赤道重力の類似から地形につぃて比較されることがあるが、火星表面では流体が作用したり、そこに堆積したことによる地形が顕著にあるので、流体や大気の無い環境が支配的であった月と水星の表面地形の方が比較に適している場合がある。
IAUによって水星の地形で命名されているクレータの個数は月の4分の1、クレータサテライトまで含めると20分の1にすぎない。まだ命名されていない顕著なクレータは水星表面に散見されるが、直径10km以上のクレータでは月の3分の1しかない。他の地形で比較してみるとRupes(線状崖、壁、クリフ)のみが月よりも多く命名されている。水星では31カ所に対し、月では8カ所のみである。水星ではRupesが特徴的な地形であって、水星内部が冷却したときに表面地殻がグローバルに収縮することによってできたと考えられている。
「かぐや」のTerrain Camera TC、Multiband Imager MIならびに「LRO」のLunar Reconnaissance Orbiter Camera LROCの画像、「MESSENGER」のMercury Dual Imaging System MDISの画像を「かぐやデータアーカイブ」およびNASA Planetary Data System PDSからダウンロードし、USGSのISISプログラムパッケージを使ってモザイク画像を作成した。高度計データを加えて月と水星の線状崖Rupesの形状の詳細、類似性を解説し、起源について考察する。
IAUによって水星の地形で命名されているクレータの個数は月の4分の1、クレータサテライトまで含めると20分の1にすぎない。まだ命名されていない顕著なクレータは水星表面に散見されるが、直径10km以上のクレータでは月の3分の1しかない。他の地形で比較してみるとRupes(線状崖、壁、クリフ)のみが月よりも多く命名されている。水星では31カ所に対し、月では8カ所のみである。水星ではRupesが特徴的な地形であって、水星内部が冷却したときに表面地殻がグローバルに収縮することによってできたと考えられている。
「かぐや」のTerrain Camera TC、Multiband Imager MIならびに「LRO」のLunar Reconnaissance Orbiter Camera LROCの画像、「MESSENGER」のMercury Dual Imaging System MDISの画像を「かぐやデータアーカイブ」およびNASA Planetary Data System PDSからダウンロードし、USGSのISISプログラムパッケージを使ってモザイク画像を作成した。高度計データを加えて月と水星の線状崖Rupesの形状の詳細、類似性を解説し、起源について考察する。