JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS10] [JJ] 太陽系における惑星物質の形成と進化

2017年5月22日(月) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:臼井 寛裕(東京工業大学地球生命研究所)、宮原 正明(広島大学理学研究科地球惑星システム学専攻)、山口 亮(国立極地研究所)、癸生川 陽子(横浜国立大学 大学院工学研究院 機能の創生部門)

[PPS10-P20] 木星型惑星の重水素核融合爆発による小惑星帯の形成説の検証

*唐澤 信司1 (1.宮城工業高等専門学校 名誉教授)

キーワード:小惑星帯、隕石、重水素核融合、褐色矮星、木星、ケレス

太陽の質量の1.3%を超える天体は一時的に重水素が核融合することができます[1]。この天体の中心の重力ポテンシャルを密度一定として計算すると対応する重水素の温度は約百万度(106K)になります。重力により天体が取り込む量より核融合で加熱され放出される量の方が多く、その放出が一度に起ればその天体は爆発します。そこで、太陽系の氷結線(4.04x108km. 文献[2])の少し外側のケレスの位置(小惑星帯の中央:4.14 x108km)にあった惑星(X)が太陽の質量の1.3%を持つまで成長して核爆発したとする説を検証しました。
 太陽から惑星までの距離は次のようになります。海王星:45.04、天王星:28.75、土星:14.29、木星:7.78、惑星(X):4.14、火星:2.27、地球:1.50 [108km単位]。惑星の引力が太陽に向かって減少し、太陽の引力と等しくなる距離として引力圏を求めると次のようになります。海王星:0.32、天王星:0.19、土星:0.24、木星:0.24、惑星(X):0.81、火星:0.013、地球:0.026 [108km単位]。ここで、惑星(X)は質量が木星の13倍の木星型としました。惑星(X)が大きくなった理由は惑星(X)が氷結線のすく外側の位置したことと、宇宙塵の100 倍もある星雲ガスが重力崩壊したことによります。
 46億年前に太陽で核融合が始まったことも惑星(X)の成長に拍車をかけました。そして、惑星(X)において重水素の核融合が始まり、その核融合は爆発だけで終わったとします。鉄隕石は万有引力では形成も破壊もできません。太陽を公転する天体の軌道は質量に依存しません。核融合で固体のコアが爆発すると破片の大部分は宇宙に飛散します。残りの同じ公転軌道を公転し続ける惑星(X)の破片も弾性衝突で拡散しますが重心の運動は変わりません。この惑星(X)の重水素核融合による爆発が38億年前に起こったとすると地球のマントルの成分が示す隕石重爆撃も説明できます。
 詳しくはWebsite;“ https://youtu.be/medU_Rq6StI ”, “https://youtu.be/Kz8TTGlCHXI” をご覧ください。
[参考文献]
[1] Chabrier, G., Baraffe, I., Low-mass stars and substellar objects, Ann. Rev. Astron. Astrophys. 38 (2000) 337-377.
[2] Hayashi, C., Prog. Theor. Phys. Suppt., Vol. 70, pp. 35-53.