JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EE] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG66] [EE] Shallow and intermediate depth intraslab earthquakes: seismogenesis and rheology of the slab

2017年5月23日(火) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:大内 智博(愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)、北 佐枝子(広島大学大学院理学研究科地球惑星システム学専攻)、Brent G Delbridge(Berkeley Seismological Lab)、片山 郁夫(広島大学大学院理学研究科地球惑星システム学専攻)

[SCG66-P03] Relation of seismicity with age in stable oceanic plates and its implication for the mechanism of intraplate earthquakes

*上山 和也1深畑 幸俊1 (1.京都大学防災研究所)

キーワード:oceanic intraplate earthquakes, thermal stress, oceanic sea floor age

安定的な海洋プレートの内部における地震の発生メカニズムの主要なものとして、プレートの冷却・収縮による熱応力がある。熱応力は海洋プレートの年代とともに増加していくことが期待される。一方で、海洋プレート内部での地震活動度は、海洋プレートの年代が4000万年までは年代とともに減少する傾向があることが示されている(Wiens and Stein,1983など)。本研究ではこのような対立する概念の真相に迫るために安定的な海洋プレート内の地震活動を調べることにした。手法としては、IRISの地震カタログを用いて海底年代グリッドデータに地震をプロットした。その際、解析対象をプレート境界周辺や縁海、北極海、およびハワイのホットスポットを除いた領域とした。そして年代ごとに地震発生数を数え上げるとともに解析領域の面積を算出して地震発生数を規格化し、地震の発生頻度と海洋プレートの年代に対する関係を明らかにした。この結果、5000万年までは海底年代とともに地震活動度は減少することがわかり、過去の研究を再現することができた。このメカニズムとして、熱応力の絶対量ではなくその時間変化が効いていることが推察される。同時に地域的な違いを調べるために海洋を太平洋、インド洋、大西洋に分割してそれぞれの地震活動を評価した。その結果、海嶺の拡大速度が最も遅い大西洋で地震活動度が最も高く、最も速い太平洋で最も低いことがわかった。このメカニズムとして、海嶺軸方向の熱応力の蓄積速度が、拡大速度の速い太平洋よりも拡大速度の遅い大西洋で大きいためと推察される。