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[SCG72-18] 沖合水圧記録の順解析による津波波源即時推定手法の検討
キーワード:即時推定、津波、S-net、DONET
津波波源の情報は、観測データをインバージョン(逆解析)することで求める手法が一般的に用いられている。津波の即時予測においても、地震波もしくは津波波形のインバージョンにより求めた震源もしくは波源情報に基づいてフォワード計算を行ったりデータベースから適切なシナリオを選んだりすることで、沿岸の津波高や到達時間を予測している。事後の解析においては、津波波源の情報を求めるのに時間的制約がないため、例えばローカルミニマムに陥っていないか等の確認を手動である程度時間をかけて行うことが出来る。一方で、即時予測においては、沿岸に津波が到達するまでの短時間で逆解析を行う必要があり、誤った解を求めてしまう可能性が高くなる。そこで逆解析を用いずに、地震・津波観測監視システム(DONET)や日本海溝海底地震津波観測網(S-net)等の大規模な海域観測網で得られる沖合の水圧記録を順解析することで津波波源を即時に推定することを試みる。ひとつには、観測された津波の波高分布の重心位置(Tsunami Centroid Location; TCL)を求めることでおおよそ波源の位置を推定出来る可能性があることが分かっている(Yamamoto et al., 2016, EPS)。また、予め計算しておいた津波シナリオと観測データを比較し、相関係数を求めることで津波波源の位置及び形状を推定できる可能性があることが示されている(Yamamoto et al., 2016, GRL)。本発表では、模擬データを用いたこれらの手法の検討に加えて、実際に観測されたデータを用いた検討結果について報告する。