[SCG73-P03] レーザー誘起分解分光分析(LIBS)による鉱物分析の法地質学的利用のための予察的研究
キーワード:レーザー誘起分解分光分析(LIBS)、法地質学
犯罪捜査における法地質学的試料の異同識別のための分析法として、レーザー誘起分解分光分析(LIBS)装置による鉱物の分析を試みた。本発表では現在進行中の予察的研究の成果を報告する。
分析にはApplied Spectra社製J200型を用いた。分析条件は、大気雰囲気下でレーザーの波長及びエネルギーは266nm(25mJ)、レーザースポット径30または50µm、検出器はCCDブロードバンド検出器、分析範囲は190nm~690nmである。分析試料には主要造岩鉱物として石英、長石、黒雲母、普通角閃石、普通輝石、エンスタタイト、カンラン石および白雲母を、鉄やマグネシウム等を多く含む鉱物として、磁鉄鉱、赤鉄鉱、クロム鉄鉱、シデライト、バラ輝石、ドロマイトおよびルチルを用いた。また、標準試料の分析には鉄鋼試料はBrammer社の4種、アルミニウムはNIST1258およびBCS268/1を使用した。
実験の結果、元素により検出されるピークの数と強度に大きな違いがあることが明らかとなった。例えば、鉄はピークが非常に多いため、鉄を多く含む鉱物の場合は少量しか含まれない元素の検出が困難になる可能性がある。一方、マグネシウムは、ピークの数はあまり多くないものの非常に強くピークが出る傾向があることから、他元素の妨害がなければ、感度良く検出できると考えられる。
鉱物試料の分析結果を比較すると、主要造含鉱物はそれぞれ異なるピークパターンを示しているが、鉱物の種類よりも含有されている元素のうち特に強度の強い元素の影響が大きい。一方、長石類の分析結果から、顕微鏡検査などにより同一の種類であることがわかっている場合は、パターンの対比から元素の濃度の定性的な大小を知ることが可能であると考えられる。
磁鉄鉱と赤鉄鉱は極めてよく似たピークパターンを示しており、定性的には判別が困難と考えられた。シデライトは磁鉄鉱や赤鉄鉱とは異なるピークパターンを示したが、これはEDXの分析で10%以下のマグネシウムを含んでいることが確認されている試料であるためと考えられる。その他の鉱物もそれぞれ異なるピークパターンを示したが、鉄やクロム等が多い場合には共存する元素の同定が容易ではなく、定量分析に向けての課題となることが予想される。
分析にはApplied Spectra社製J200型を用いた。分析条件は、大気雰囲気下でレーザーの波長及びエネルギーは266nm(25mJ)、レーザースポット径30または50µm、検出器はCCDブロードバンド検出器、分析範囲は190nm~690nmである。分析試料には主要造岩鉱物として石英、長石、黒雲母、普通角閃石、普通輝石、エンスタタイト、カンラン石および白雲母を、鉄やマグネシウム等を多く含む鉱物として、磁鉄鉱、赤鉄鉱、クロム鉄鉱、シデライト、バラ輝石、ドロマイトおよびルチルを用いた。また、標準試料の分析には鉄鋼試料はBrammer社の4種、アルミニウムはNIST1258およびBCS268/1を使用した。
実験の結果、元素により検出されるピークの数と強度に大きな違いがあることが明らかとなった。例えば、鉄はピークが非常に多いため、鉄を多く含む鉱物の場合は少量しか含まれない元素の検出が困難になる可能性がある。一方、マグネシウムは、ピークの数はあまり多くないものの非常に強くピークが出る傾向があることから、他元素の妨害がなければ、感度良く検出できると考えられる。
鉱物試料の分析結果を比較すると、主要造含鉱物はそれぞれ異なるピークパターンを示しているが、鉱物の種類よりも含有されている元素のうち特に強度の強い元素の影響が大きい。一方、長石類の分析結果から、顕微鏡検査などにより同一の種類であることがわかっている場合は、パターンの対比から元素の濃度の定性的な大小を知ることが可能であると考えられる。
磁鉄鉱と赤鉄鉱は極めてよく似たピークパターンを示しており、定性的には判別が困難と考えられた。シデライトは磁鉄鉱や赤鉄鉱とは異なるピークパターンを示したが、これはEDXの分析で10%以下のマグネシウムを含んでいることが確認されている試料であるためと考えられる。その他の鉱物もそれぞれ異なるピークパターンを示したが、鉄やクロム等が多い場合には共存する元素の同定が容易ではなく、定量分析に向けての課題となることが予想される。