[SEM19-P05] 北海道南部地熱地域のMT法による3次元比抵抗構造推定
キーワード:MT法、3次元インバージョン、ModEM
北海道南部に位置する渡島半島は、地温勾配が高く、特に中央に位置する八雲-濁川ゾーンは、最近の火山活動が見られないが最も高い。この地域では、地熱兆候地や温泉が多く確認されており、これまでに地熱開発促進調査が様々な方法で行われてきた。本研究では、2015年に新たに行われたMT探査データを用いて、2次元インバージョン(Ogawa and Uchida、1996)を行い、その結果を昨年報告した。その後、同じ測点のデータを用いてModEM( Egbert and Kelbert, 2012) による3次元インバージョンを試みた。その結果、2Dインバージョンの結果とは異なる比抵抗構造が得られた。その3インバージョン結果の妥当性を調べるために、我々は、直方体構造を用いてインバージョンの再現性テストを行った。その結果。等間隔で規則正しく配置した測点のデータを用いた結果は、正しく再願されたが、2Dの場合と同じ配列の測点では、インバージョンの結果は同じ形が得られなかった。その結果から、3次元バージョンでよい結果を得るには、規則的な密な測点配列データが必要であることがわかった。八雲地域に測点配列は不規則で疎らでもあるので、それを利用したインバージョン結果は正しい結果とはいえないであろう。