11:00 〜 11:15
[SEM20-08] 篠窯跡群西山古窯の古地磁気・岩石磁気
キーワード:古地磁気、岩石磁気、考古学
須恵器は主に5〜10世紀に日本各地で生産され、その後多くの陶器へと進化していった。須恵器は高温かつ還元的環境で焼成されるため、磁鉄鉱が主要磁性鉱物となりやすく古地磁気研究にはうってつけである。これまでに大阪府陶邑遺跡をはじめとする全国の遺跡で須恵器窯跡および須恵器陶片に対する古地磁気研究がおこなわれてきた。
今回対象とする篠窯跡群は京都の西、京都府亀岡市に位置し、総数100基以上の巨大な窯跡群である。登り窯の型式も複数にわたり、須恵器だけでなく緑釉陶器や瓦なども同一の窯で清算していたことが分かっている。篠における須恵器生産は陶邑よりも遅く、その最盛期も8世紀以降と考えられている。そのため、陶邑等他の窯跡群よりも時代が遅い地磁気の様子、とくに9〜11世紀の間に大きく地磁気方位が変化した様子を観察するのに適している。また、この期間は過去の古地磁気測定が他時代と比べて少なく、現代的手法を用いた古地磁気データの追加は、地磁気永年変化研究や年代推定法の充実にも有用である。
我々は、篠窯跡群西山1号窯跡の2基(1-1号、1-2号)から定方位にて試料を採取し、古地磁気・岩石磁気測定を行った。2つの窯の古地磁気方位はすこし離れていて時代の違いを示すものであるが、土器の型式および窯・灰原の層序学的関係から指摘される時代ギャップと一致している。また、2つの古窯の古地磁気年代推定は、従来の地磁気永年変化モデル(広岡, 1977)を使用すると考古学年代よりも1世紀ほど若くなるが、最近の我々のモデルを使用するとほぼ一致することが分かった。
今回対象とする篠窯跡群は京都の西、京都府亀岡市に位置し、総数100基以上の巨大な窯跡群である。登り窯の型式も複数にわたり、須恵器だけでなく緑釉陶器や瓦なども同一の窯で清算していたことが分かっている。篠における須恵器生産は陶邑よりも遅く、その最盛期も8世紀以降と考えられている。そのため、陶邑等他の窯跡群よりも時代が遅い地磁気の様子、とくに9〜11世紀の間に大きく地磁気方位が変化した様子を観察するのに適している。また、この期間は過去の古地磁気測定が他時代と比べて少なく、現代的手法を用いた古地磁気データの追加は、地磁気永年変化研究や年代推定法の充実にも有用である。
我々は、篠窯跡群西山1号窯跡の2基(1-1号、1-2号)から定方位にて試料を採取し、古地磁気・岩石磁気測定を行った。2つの窯の古地磁気方位はすこし離れていて時代の違いを示すものであるが、土器の型式および窯・灰原の層序学的関係から指摘される時代ギャップと一致している。また、2つの古窯の古地磁気年代推定は、従来の地磁気永年変化モデル(広岡, 1977)を使用すると考古学年代よりも1世紀ほど若くなるが、最近の我々のモデルを使用するとほぼ一致することが分かった。