JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-EM 固体地球電磁気学

[S-EM20] [JJ] 地磁気・古地磁気・岩石磁気

2017年5月20日(土) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:菅沼 悠介(国立極地研究所)、山本 裕二(高知大学 海洋コア総合研究センター)、畠山 唯達(岡山理科大学情報処理センター)

[SEM20-P13] 考古地磁気学と考古学の交流のための発掘情報共有ツールの設計

*北原 優1平川 剛2池田 大輔3 (1.九州大学 大学院 地球社会統合科学府、2.株式会社 ネットワーク応用技術研究所、3.九州大学 大学院 システム情報科学研究院 情報学部門)

キーワード:発掘情報共有ツール、スマートフォンアプリ、カタリベクラウド、考古地磁気学、考古学

被熱した考古試料から過去の地球磁場を復元する研究を行う考古地磁気学の分野において、今後さらなるデータの拡充を図るためには、実験素材の提供元である考古学界との緊密な連携が不可欠である。その一方で考古学の分野においても、最近では考古編年の妥当性を考古学とは独立して検証するための有用なツールとして、考古地磁気年代推定法を含めた自然科学分析に関心が集まりつつあると言われている。しかしながら、現在この両分野において活発な共同研究が行われているかというと、そうとは言い難いのが現状である。この原因としては、コミュニティ間の人的交流が少なく、共同研究を行える可能性のある研究者に出会うことが非常に困難であることがまず挙げられる。

発表者らはこの問題を解消すべく、(1)全国各地で実施されている発掘(学術発掘および緊急発掘)の情報と(2)所属機関や専門分野を超えた人材情報をサーバー上で一元的に管理し、効率的に情報検索と研究者間のマッチングを行うためのツールの開発を行っている。具体的には、株式会社ネットワーク応用技術研究所が提供する「カタリベクラウド」(撮影した写真の位置情報に基づき、利用者ごとに割り当てられたブログ版とGoogle Mapを同期させるプラットフォーム)を目的に沿って改造し、さらにWordPressのSNSプラグインを追加で実装することによって、上述の機能を実現させる予定である。一般に「情報共有サイト」はコールドスタートが問題になるため、この解決法も現在検討中である。

現時点では、「カタリベクラウド」プラットフォームに最低限の機能を実装し、GUIをデザインした最初のプロトタイプ(スマートフォンアプリ)が完成している。

本発表では、実際のアプリの紹介を通して、設計の妥当性やバージョンアップに向けての方針、今後の展開等について議論したい。