JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-EM 固体地球電磁気学

[S-EM20] [JJ] 地磁気・古地磁気・岩石磁気

2017年5月20日(土) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:菅沼 悠介(国立極地研究所)、山本 裕二(高知大学 海洋コア総合研究センター)、畠山 唯達(岡山理科大学情報処理センター)

[SEM20-P14] MATLABコードをベースにしたマルチプラットフォーム古地磁気アプリケーション

*福間 浩司1Xuan Chuang2 (1.同志社大学理工学部環境システム学科、2.サザンプトン大学)

キーワード:古地磁気学、ソフトウェア、消磁、MATLAB

古地磁気データは現在ルーチンのワークフローで処理されており,古地磁気データを表示および分析するための多くのオンラインまたはオフラインソフトウェアが提供されている(例えば,PuffinPlot [Lurcock and Wilson, 2012],Paleomagnetism.org [Koymans et al, 2016],PmagPy [Tauxe et al., 2016]).しかし,絶えず更新されるオペレーティングシステム(OS)に対して,これらのソフトウェアは必ずしも更新されるとは限らない.また,個々のアプリケーションは特定のデータ形式を必要とし,測定装置から出力されたデータを変換する必要がある.日本の古地磁気学コミュニティでは,熊本大学の渋谷さんが開発された DOS や Macintosh のアプリケーション “Progress" と “Direction”とともに,30年以上にわたりシンプルなデータフォーマットが共有されてきた.これらのアプリケーションを受け継ぎ,Uチャネルデータを分析するための MATLABコード UPmag [Xuan and Channell, 2009]に基づき,グラフィックユーザインタフェースを備えたマルチプラットフォームアプリケーションを開発した.
Zijderveld図と等面積投影図上の段階消磁データの表示とフィッティングを行うアプリケーションと,等面積線図上の方向データの表示とフィッシャー統計値の計算を行うアプリケーションの2種類を用意した.データ形式はできるだけ単純にした.消磁データの場合,各消磁レベルでの偏角,伏角および強度の極座標での3つのパラメータを必要とし,方向データの場合,試料片もしくはサイトごとの偏角および伏角のみが必要である.フィッティングを実行する前に,消磁区間を Zijderveld図と等面積投影図上で確認することができる.フィットされたデータはテキストファイルに出力し,方向アプリケーションに渡すことができる.フィッシャー統計パラメータもテキストファイルに保存することができる.また,図を pdf, jpeg, tiff, bmp などのさまざまな形式で保存することができ,後でグラフィックソフトウェアでプレゼンテーションや原稿作成のために図を加工できる.
何れのアプリケーションも Windows(32ビットと64ビット),Macintosh OS X,および Linux 上で動作する.アプリケーションを使用するために MATLABライセンスは必要なく,http://mpms.doshisha.ac.jp/pd16/pd16top.html にあるソフトウェアパッケージをダウンロードするだけで,MATLAB Runtime が自動的にインストールされる. MATLABのソースコードも公開しているので,好みによりMATLABプログラムを実行し,自分で修正することもできる.更新されたOSに適応するための将来のアップデートは,更新されたMATLABを使用して容易に実行できるだろう.