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[SGL36-03] 上越沖-北部フォッサマグナ地域における後期新生界の褶曲-断層帯の構造と形成史
キーワード:断層関連褶曲、北部フォッサマグナ、バランス断面図、中絶リフト盆地、地質構造形成プロセスモデル
東北日本と西南日本の境界部に位置する上越沖-北部フォッサマグナ地域は,日本海の拡大によってリフト盆地が形成され,その後,大規模な短縮変形を被った地域である.リフト盆地においては厚い堆積物が複雑な褶曲-断層帯を形成しているが、震源断層を含め褶曲-断層帯の形成を幾何学的な合理性のもとに説明したモデルは提案されていない.また,北米/ユーラシアプレート境界とされる糸魚川-静岡構造線の意味づけについても不明な点が多い.このような背景から,地質・地球物理学的データを用いて,この地域の三次元的な地質構造形成プロセスモデルを構築することを目的として,研究を行った.
地質構造の解析にあたって,地表地質データ・反射法地震探査データ・坑井データ・重力異常データ・地震波速度構造データを取りまとめ,調査地域における地質構造図を作成し,調査地域を網羅する五本の断面線において地質断面図を作成した.構造解釈の妥当性の検討と短縮変形の定量化にはバランス断面法を用いた.
解析の結果,複雑な断層関連褶曲の形成プロセスを説明することができる三次元断層モデルを構築することに成功した.この地域においては,リフトの縁辺部と,リフト内の大陸性地殻が想定される地域に震源断層の存在を推定した.リフト下の下部地殻のP波速度構造は,リフト軸の方向で高速度帯を形成していることから,大量の苦鉄質岩が上昇していると判断され(佐藤,2013),この苦鉄質岩が卓越する領域と大陸性地殻との物質境界が震源断層となっていると考えられる.これらの震源断層は盆地内では四つの断層系を構成しており,鮮新世以降の北西-南東方向の短縮変形により,分岐し・折れ曲がり・交差しながら,ウェッジ構造・ポップアップ構造・thrust-front-migrationによって複雑な褶曲帯を形成している.短縮変形は,リフトの縁辺部からリフト内の大陸性地殻が想定される地域に乗り上げる紫雲谷断層と妙高断層に集中したのち,リフト内の大陸性地殻が想定される地域を震源断層とする「西頸城断層系」および中央隆起帯近辺の断層へと分散した.バランス断面法から,総短縮量は約35 km,平均歪速度は約10 mm/年と算出された.
地質構造の解析にあたって,地表地質データ・反射法地震探査データ・坑井データ・重力異常データ・地震波速度構造データを取りまとめ,調査地域における地質構造図を作成し,調査地域を網羅する五本の断面線において地質断面図を作成した.構造解釈の妥当性の検討と短縮変形の定量化にはバランス断面法を用いた.
解析の結果,複雑な断層関連褶曲の形成プロセスを説明することができる三次元断層モデルを構築することに成功した.この地域においては,リフトの縁辺部と,リフト内の大陸性地殻が想定される地域に震源断層の存在を推定した.リフト下の下部地殻のP波速度構造は,リフト軸の方向で高速度帯を形成していることから,大量の苦鉄質岩が上昇していると判断され(佐藤,2013),この苦鉄質岩が卓越する領域と大陸性地殻との物質境界が震源断層となっていると考えられる.これらの震源断層は盆地内では四つの断層系を構成しており,鮮新世以降の北西-南東方向の短縮変形により,分岐し・折れ曲がり・交差しながら,ウェッジ構造・ポップアップ構造・thrust-front-migrationによって複雑な褶曲帯を形成している.短縮変形は,リフトの縁辺部からリフト内の大陸性地殻が想定される地域に乗り上げる紫雲谷断層と妙高断層に集中したのち,リフト内の大陸性地殻が想定される地域を震源断層とする「西頸城断層系」および中央隆起帯近辺の断層へと分散した.バランス断面法から,総短縮量は約35 km,平均歪速度は約10 mm/年と算出された.